あんのよしなしごと

三谷幸喜さんの作品の感想、本の感想、映像作品や音楽の感想などをつづったブログです。

アニメ『ユーリ!!! on ICE』と、あの大河ドラマの共通点?

世の中にやや遅れをとった感がありますが、『ユーリ!!! on ICE』を観ました。

『ユーリ!!! on ICE』とは・・・

23歳のフィギュアスケーター勝生勇利が、初出場のグランプリファイナルで最下位と惨敗、引退すら考えながら傷心のまま帰国。
世界トップスケーターで勇利の憧れでもあるヴィクトル・ニキフォロフのプログラムを、勇利が気持ちの切り替えのために個人的に滑っていた動画が予期せずアップされ、それをヴィクトルが見たことがきっかけでヴィクトルが勇利のコーチを務めることになる。
勇利はヴィクトルに導かれて成長していく、といった物語(随分端折っていますが)。

勇利やヴィクトルだけでなく、周囲の色々なフィギュアスケーターたちの物語に、フィギュアスケートにも興味を持ちました。

さてフィギュアスケート界のリビングレジェンドにして勇利のコーチとなったヴィクトルの勇利への熱すぎるほどのスキンシップや数々の言葉に、すわBLだという向きもありますが、それで片づけてしまえない魅力を感じて、それってなんなんだろう、いや実は私もBL好きだったのか、などと考えておりました。

『ユーリ!!!』では、勇利がヴィクトルによって「愛」を知り、成長します。

でも、それって恋愛としての愛ではなくて・・・どこかに似た「愛」のカタチがあったような・・・

と、思い出したのは、大河ドラマ『新選組!』撮影期間中でのNHKの番組で山南役の堺雅人さんが「(新選組副長の土方を演じる)山本耕史は(新選組局長の近藤を演じる)香取慎吾のことを愛している」といった主旨で語った「愛」。

山本さんは、香取さんが共演者との人間関係構築を拒否するような部分に「それでは彼がこの大変な大河ドラマの撮影は乗り切れない」と危機感を感じ、局長を支える副長という役柄でもあることから、自分がどうしたい、ではなく、香取さんの環境をより良くすることに徹しようと思ったそうです(『新選組!』総集編DVDの座談会より)。

山本さんが、香取さんの携帯電話番号をゲットしたり、香取さんが『新選組!』共演者と飲みに行くまでになるまでの数々の「愛」のエピソードは、当時のTV番組や雑誌などで数々語られているように、『ユーリ!!!』のヴィクトル並みのアプローチです。
その後の二人は、この関係をネタにして笑いを取ることも多いですが、山本さんにお子さんが生まれたことを香取さんが自分が司会の生放送番組で報告するなど、今でも深い信頼関係で結ばれていることをうかがわせます。

そんなように、山本さんから香取さんへの熱すぎるほどの「愛」が、共演者と飲みに行ったりはしないという頑なにガードを張る香取慎吾さんの心をこじ開け、熱狂的なファンを持つ『新選組!』を生み出した、とも言えます。

一方『ユーリ!!!』のヴィクトルは、勇利の中にまだ眠っている大きな可能性を見出し、同じ競技者、表現者だからこそ、それをみすみす眠らせたままでいるのは我慢ができず、自分が想像もつかないどんな表現を、世界を、見せてくれるのかを見てみたい、それが今の自分に一番必要なものだと直感したのではと思います。
そしてそのために、自分はなんでもしよう、と。

勇利の可能性を閉じ込めていたのは、自分に自信が持てず、他人からの愛を受け入れられない頑なな心。だからヴィクトルは拒絶され続けても過剰なまでの愛情表現を勇利に示し、勇利の心を溶かし、スケーターとして成長させ最高のプログラムを生み出しました。

二人の関係は、二人だけに影響するのではなく、その周りに波及していくのも似ています。

山本さんから香取さんへの「愛」は、『新選組!』試衛館メンバーを中心とした共演者の一体感を生み出したように思いますし、ヴィクトルの手による勇利の成長は他のトップスケーターを刺激し影響を与えました。

ヴィクトルの勇利に対する想いに恋愛感情がなかったとして、果たしてこういう二人のあり方はあり得るのか?と思ったとき、『新選組!』での山本さんから香取さんへの熱い想い(もちろんメディアに見せてくれた姿が全てであるとは思わないけれど)を思い起こすと、あり得るのだろうと思いました。

そんな二人の関係は「深い絆」と称されるのかもしれません。

でも「絆」という言葉は、どこか表面的な、糸偏という字面もあってお互いを束縛しあうような印象があってしっくりこないのです。

だからか、私には二人の関係は「愛」の方がしっくりきます。

 

そういえば、『新選組!』のなかで、近藤勇と土方歳三がそれぞれ生涯肌身離さず持っていた、黒船来航のときに二人で拾ったおそろいの「コルク」。香取さん、山本さんは、画面に映らなくても首から下げていたそうです。

『ユーリ!!!』でもそういったアイテムが出てきますが(ここまで来てネタバレを気にするのか)、それもそういうことなのかもしれませんね。

 

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大河ドラマ「おんな城主 直虎」第1回を見ました


「おんな城主 直虎」第1回を見ました。


戦国時代の井伊家の物語、というと、昨年の大河ドラマ「真田丸」第45回「完封」の回で、出来上がった真田丸の上で信繁と高梨内記が二人、敵陣の様子を眺めながらの会話:

内記「あちらにも赤備えがおりますぞ」
信繁「あれは井伊直孝殿じゃ。かの井伊直政殿の次男坊じゃ」
内記「井伊でございますか」
信繁「向こうにも、ここに至るまでの物語があるのだろうな。」
内記「一度・・・聞いてみたいものですなぁ」

 

が思い出され、内記と源次郎(信繁)がどこかで酒を飲みながら、今年の大河ドラマである井伊家の物語を私たちと一緒に楽しく見ているような妄想にかられます。

また、今川義元が出てくれば今川を滅ぼした織田信長を吉田剛太郎さんの姿で思い出したり、
「北条」と聞くと、高嶋政伸さんの北条氏政を思い出したり、
井伊直満が謀反の証拠を突きつけられてぐうの音も出ず討たれてしまったのを見て、きっと草刈正雄さんの真田昌幸であればしらを切りとおして、これしき序の口じゃ、なんて言っていたかもしれないなんて妄想したり。。

同じ戦国時代だからこそ、「真田丸」の世界との重なりを感じてしまい、どこかで「真田丸」の人々が息づいているような気もしてしまいます。

(真田丸ロスが過ぎるでしょうか^^;)

そういう贔屓目(?)を差し引いても、直虎の少女時代を演じる子役さんをはじめ、子役の方たちが大変可愛らしくかつ演技にも引き込まれ、これからも楽しみな初回だったと思います。

※今年は大河ドラマの感想を毎週書くことはないと思います、あしからず・・・

大河ドラマ『真田丸』感想まとめ

三谷幸喜さん脚本の2016年のNHK大河ドラマ『真田丸』の感想まとめです。

 

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『真田丸』の出演者と三谷作品

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何気なく、NHKの真田丸サイトで登場人物を眺めていたら、本当に多くの役者さんが他の三谷作品にも出演されているなと気づきました。

公式サイト: 登場人物 人物相関図 第1回~ 真田家|NHK大河ドラマ『真田丸』

例えば、真田家では・・・

  • 真田信繁の堺雅人さん →『Vamp show』(2001)、『新選組!』(2004)、『恐れを知らぬ川上音二郎一座』(2007)
  • 真田信幸の大泉洋さん →『ベッジ・パードン』(2011)、『清須会議』(2013)等
  • 真田昌幸の草刈正雄さん →『君となら』(2014)
  • 祖母・とりの草笛光子さん →『ロスト・イン・ヨンカーズ』(2013) 
  • 姉・松の木村佳乃さん →『抜け目のない未亡人』(2014)
  • 松の夫・小山田茂誠の高木渉さん →人形劇『新・三銃士』(2010)、『桜の園』(2012)、人形劇『シャーロックホームズ』(2014)
  • 信繁の幼馴染・きりの長澤まさみさん →『紫式部ダイアリー』(2014)
  • 信幸の妻・こうの長野里美さん →『ロスト・イン・ヨンカーズ』(2013)、『君となら』(2014)
  • 家臣・矢沢三十郎頼幸の迫田孝也さん → 『桜の園』(2012)、『酒と涙とジキルとハイド』(2014)等
  • 家臣・佐助の藤井隆さん → 『桜の園』(2012)、『酒と涙とジキルとハイド』(2014)

※見落としなどありましたらすみません。また『ロスト・イン・ヨンカーズ』と『桜の園』、『新・三銃士』『シャーロックホームズ』は三谷さんオリジナル作品ではありません。

 

特に信幸・信繁兄弟世代の家臣、矢沢三十郎と佐助が共通の舞台作品に2つも出演されていることに、改めてびっくりです。

 

そして個人的に嬉しいのは、西村雅彦さんも室賀正武役で出演とのこと。公式サイトによると、真田家をライバル視し、昌幸暗殺を画策するとのことで、楽しみです。

 

ご参考までに、上記で記載した作品の感想を列挙しておきます。

 

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【感想】「ギャラクシー街道」

【あらすじ】

西暦2265年、宇宙の居住空間「うず潮」と地球を結ぶルート、通称「ギャラクシー街道」の通り道にあるハンバーガーショップ。この店には、地球人だけでなく、様々な宇宙人が立ち寄り、それぞれの時間を過ごしている・・・

”SF好き”の方は、思わずニヤリとされるのではないでしょうか?

「1960年代に作ったSF映画」といった体裁で手作り感満載、どこかノスタルジーを感じます。

また、2001年宇宙の旅、スタートレック、猿の惑星、(60年代じゃないけど)E.T.?

これらの作品を彷彿とさせる要素がありました(私はSF映画に詳しくないのでこれくらいしかわかりませんでしたが、他にもありそうです)。

三谷さんは今回「SF」映画を作るにあたり、過去の様々なSF名作への愛をこめて、これら作品の象徴的なエッセンスを集め、配置していくところから始めたのかなと勝手に想像します。

ストーリーは、ハンバーガーショップに集まる宇宙人たちそれぞれの、とある1日の出来事。

ドラマティックなことはほとんどなく、誰かが成長するとか、感動的な出来事があるとか、課題が解決するとか、そういうことはありません。

大きな山も谷もないかもしれないけれど、道端に咲く雑草の花を見つけてちょっと微笑むような等身大の人生。これはこれでいいよね、と言われているような、ほっこりした気分になりました。

また、関わりのないはずの他人同士が、同じハンバーガーショップに居合わせたことで、ハプニングに力を合わせるシーン。これは、三谷作品の特徴の一つですね。

もともと「感動はない、笑いだけ」という触れ込みでしたので、感動はありませんが、笑いの内容は、かなりシュールです。

三谷さんの「SF名作」へのオマージュに、”平凡で等身大な人々”への愛を織り込んだ作品だなと思いました。

これまでの三谷映画を観ている方へ、エンドロールもきっちり見ると、某俳優さんの役名でニヤリとすると思います。