三谷幸喜作品と本の虫★あんのよしなしごと

大河ドラマ「真田丸」をはじめ、三谷幸喜さんの作品の感想、芥川賞受賞作品を中心とした本の感想、音楽やハンドメイド関連などをつづったブログです。

大河ドラマ 真田丸 第3回感想:長男・信幸のプライド

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これまでは「真田家」として1つに見えていた昌幸、信幸、信繁が、真田の郷に戻って三者三様の人生が見えてきました。

信濃の国衆との駆け引き~見事な昌幸の策略

真田の郷に戻った真田家一家。武田家が滅び、織田につくと決めた昌幸でしたが
地元の国衆の意見をまとめるのにも一苦労。とりわけ室賀正武は、真田が国衆の長のようになっていることが面白くない。

昌幸は、上杉からの誘いの密書が来たと言い、その返書を届ける大役を、長男・信幸に託しました。重要な役を仰せつかった信幸は意気揚々と出かけます。

しかし信幸は、真田の動きを見張っていた国衆、室賀と出浦の手の者に襲われ、上杉への返書を奪われてしまう。

父・昌幸に切腹してお詫びすると言う信幸。そこに現れたのはなんと、信幸を襲った一人、出浦昌相でした。そう、これは、昌幸が仕組んだ策略でした・・・!

この、国衆との駆け引き、敵を欺くならまず味方からというこの策略の流れは見事ですね。そして、室賀正武として、満を持して三谷大河に西村雅彦さん登場!真田とは敵対する間柄のようなので、どんな曲者っぷりを見せてくれるか楽しみです。

兄と弟

昌幸の弟・信伊は、上杉や北条との難しい交渉を首尾よく進めていたため、無理に織田につく必要はないのではと意見。しかし兄・昌幸は、決めたことだと宣言し、信伊は素直に従います。一見、弟は軽んじられているように思えますが、信伊は上杉や北条との交渉は自分でなければできなかったと自分の存在価値を自認しています。

一方、息子世代では兄・信幸は父とともに軍議に参加するけれど、弟・信繁は呼ばれません。そんな信繁は、信伊のような弟でありたいと話します。

本当は兄のように表舞台に立ちたいと思っているかもしれないけれど、家のため影の役割に徹する弟のやるせなさのようなものも感じました。

大人の仕事に関わっている兄に対して、弟・信繁をめぐるほのぼの三角関係エピソードなど、弟は弟で自分なりの世界を持って頑張っていますね。

長男のプライドと苦悩

昌幸の策略の達成のため、昌幸から騙された形となった信幸。
信幸のプライドはズタズタに傷つきます。

父親の言うことを信じていた真面目な信幸の辛い気持ちが痛いようにわかります。そして、父親が自分に本当のことを言ってくれなかったのは、自分のことが好きではないからではないかと疑ってしまう気持ちも・・・。。

そんなつらい気持ちをよそに、弟・信繁はひそかにかくまっている義兄・小山田茂誠のことを相談します。真田家の立場としては武田家を裏切った小山田の義兄を許すわけにはいかない。しかし姉の夫であることを思うと板挟み。

姉弟からは無理難題を託され、父親からは一人前とみられていないと思っている信幸は、辛いですね。。

それでも「明日は昼頃に起き、父上に報告するのはそれからにする」と暗に逃げろと言う信幸の優しさ。

追い打ちをかけるように、昌幸は織田へ会いに行くのに信幸ではなく信繁を連れていくと言い、信幸はますます自分がないがしろにされているように感じてしまいます。

自分も行きたいという信幸に、昌幸は「もし自分たちに何かあったら、真田を守るのは信幸しかいない」と長男として真田家を守るという使命が大事であると説きます。

これで信幸は父親から重要な役割を任されていると理解しますが、本音はどうだったんでしょう。

  

戦国の世の大人の駆け引き、信幸・信繁の息子世代の世界、そして大人の世界と子どもの世界の板挟みになってしまう信幸のストーリーが絡み合う重層的な展開でした。