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三谷幸喜作品と本の虫★あんのよしなしごと

大河ドラマ「真田丸」をはじめ、三谷幸喜さんの作品の感想、芥川賞受賞作品を中心とした本の感想、音楽やハンドメイド関連などをつづったブログです。

大河ドラマ 真田丸 26回「瓜売」 感想:コメディと思わせてホラー

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前回が重く悲しい終わりだったのと、予告が明るく楽しそうだったことから今回は箸休め的に「三谷コメディ全開」を予想していました。
(そう、12年前の三谷脚本の大河ドラマ『新選組!』第33回の悲痛な山南切腹のあと、第34回はその悲しみをリセットするかのごとくのコメディ回だったように)

三谷コメディのさわり①

明国攻めで肥前・名護屋に全国の大名が集結。

真田家も、昌幸・信幸・信繁が久しぶりに揃い、加藤清正から酒宴の誘い。しかし信幸は義父・本多忠勝からも誘われていた。

清正も忠勝も、断ると面倒なことになりそう。

板挟みになった信幸は、忠勝に体調不良と嘘をついて、清正の酒宴に出向くが・・・。

ああ、この「嘘でごまかして何とかその場を乗り切ろうとする」シチュエーション、三谷コメディ絶好の題材ではないですか!さあこれから三谷劇場開幕か!?

・・・と思いきや、ヒヤヒヤしたものの信幸のごまかしは上手くいったようであっさり場面転換。

三谷コメディのさわり②

そしていよいよ明国に攻め入り、最初は順調だったものの次第に戦況が思わしくなくなり、秀吉は気晴らしに仮装大会の開催を提案。

大名たちの中で真田ここにありとアピールしたい昌幸は、佐助に習って「瓜売り」の物まね練習に励む。

しかし当日になって秀吉とネタがかぶっていることが判明!しかも昌幸は上手く、秀吉は下手だった!

さて真田はどうする・・・?

いよいよ三谷コメディ始まるか!?

・・・と身構えたのですが、ここでもあっさり、昌幸が身を引くことで決着。

仮装大会の賑わいをよそに寝そべる昌幸の背中と、その無念を引き受けたように涙する佐助に弱小大名の悲哀を感じます。

コメディ色から一気にホラー色へ

誰もが秀吉の機嫌を損ねないように気を遣い、おだて、持ち上げるのが気持ち悪くも感じます。

それは、逆らって秀吉の機嫌を損ねたら命の保証がないことの裏返し。これまで多くの人が秀吉によって不条理に処刑されてきました。

その恐怖は側近も同じ。

鶴松亡き後に関白を継いだ秀次は、秀吉に子がいないままなら立場は安泰で、秀次に男子が生まれればさらに豊臣繁栄をもたらすために喜ばれます。

しかし茶々が再び懐妊したことで状況は一変。もし茶々が男子を産めば、秀吉はすでに関白になっている秀次や秀次の子ではなく、自分の子に権力を取り戻そうとするはず。
一気に秀次の立場は悪い方に向かいます。

そして秀次は、生まれたばかりの息子が亡くなってしまったことで「ホッとした」自分を責め、泣きます。

ここまで周囲を追い詰め、恐怖させる秀吉。

一方で「(見舞いのためと言えど真田が上田に帰ると全体の士気が下がるという懸念に)
とっくに士気なんぞ下がっている」という言動からわかるように、秀吉は決して裸の王様ではなく、冷静に周りを見ています。

冷静な暴君の怖さ。もはや誰も秀吉を止められないのが、とても怖いです。

戦がない時代に武士がなすべきこと

明国攻めも「武士の仕事を作るための戦」と秀吉が言ったように、戦がない平和な世の中になると、武士は何をすればいいのかわからなかったのでしょうか。

昌幸の母・おばば様が信幸・信繁兄弟に残した言葉
「人はだれしも自分の"さだめ"を持っている。その"さだめ"に気づくかどうかだ」
若き二人は、それぞれ自分の"さだめ"を見極めていくのでしょう。

そして「離れ離れになっても真田は一つ」。

その他

  • 昌幸の「瓜売」がとても良い声で艶っぽい。秀吉のためではなく、自分の母親のために披露できて良かった。それでこそ家族愛の真田家。
  • 割と唐突に出てきた大谷吉継の娘、春ちゃん。
  • おばば様の去り際がカッコいい。

 

三谷コメディ参考作品:

anno-yoshinashi.hatenablog.jp

 

anno-yoshinashi.hatenablog.jp