アート小説の名手ともいうべき、原田マハさんの『モダン』を読みました。
舞台はモダン・アートの聖地、MoMA(ニューヨーク近代美術館)。
ピカソ、マティス、ルソー、ワイエスなどの美術だけでなく、工業デザインや建築もアートとして扱う美術館です。
このMoMAで働く人々を描いた短編集ですが、登場する彼ら彼女らからは、MoMAをモダン・アートの聖地たらしめる精神に支えられた誇りや気概が感じられて、いち職業人として羨ましい。
そして、アートを通じて関わり合う人と人の想いをつなぐ温かさに、涙が止まりませんでした。
途中登場するMoMA初代館長のアートを語る言葉に感銘を受け、自分もそういうアートに関われたらなと思いました。
原田マハさんのアートを題材とした作品では、『楽園のカンヴァス』と『ジヴェルニーの食卓』を読んだことがありますが、どちらもおすすめです。