あんのよしなしごと

三谷幸喜さんの作品の感想、本の感想、映像作品や音楽の感想などをつづったブログです。

『ざらざら』 川上弘美

 

ざらざら (新潮文庫)

ざらざら (新潮文庫)

 

 

生まれては消えていく、23の小さな恋の話。

少女のほのかな恋も、大人の女の恋も、始まる恋も、続く恋も、終わる恋も。

どれも数ページ程度の小さな短編で、その恋の瞬間をスナップショットのように切り取っている。どこにでもある日常として。でも一人ひとりにとっては、ちょっと、特別な。

好きとか嫌いとかでは表現できない、小さな心のゆらめきがすごくよく感じられた。

ところどころ、どこかで自分も味わったような感覚に出会ったりもした。

お気に入りは、「山羊のいる草原」「椰子の実」「笹の葉さらさら」。