内容はタイトルそのまま。小澤征爾さんと村上春樹さんが音楽について話をしていることを、村上春樹さんがまとめています。
ベートーヴェンのピアノ協奏曲、ブラームスの交響曲、マーラー・・・。
レコードを聴きながらの対談は、その曲そのものについての話、小澤さんとカラヤンやバーンスタインとの出来事、共演したり交流した音楽家とのエピソード、小澤さんの音楽への取り組み方などで、読んでいる時間をとても贅沢に思える一冊です。
小澤征爾さんの指揮にまつわる様々な体験のお話は、音楽家のバックヤードを知るという点でもとても面白かったです。
村上春樹さんの音楽の造詣の深さには大変驚きました。小澤さんの話にそっとさしはさむ問いかけに、小澤さんの口がどんどん滑らかになっていくようでした。400ページ弱というボリュームながら、むしろもっともっと読みたい、この二人の話をずっと聞いていたい、と思わせるのは、内容の面白さもさることながら、村上春樹さんの手でまとめられたことによる文章の良さもあると思いました。
この本の中でお二人が聴いている音源を是非聴いてみたいと思いましたが、入手できないものが多いようで、それだけが残念。。。
※2016.1.23追記
・・・と思っていたら!こんなCDが出ていました。