作:ニール・サイモン 上演台本・演出:三谷幸喜
出演:中谷美紀 松岡昌宏 小林隆 浅利陽介 入江甚儀 長野里美 草笛光子
【以下、ネタバレを含みますのでご注意】
厳格な母親ミセス・カーニッツに育てられたエディ、ベラ、ルイ、ガート。
厳格、というとまだ聞こえはいいけれど、彼ら彼女ら子どもたちは、いい大人になっていても、母親に精神的に支配されていると言ってもいい。
そういう点では、この物語は、親離れ、子離れの物語といっていいのではないかと思う。
エディ、ベラ、ルイ、ガートと母親との関係はそれぞれ異なる。 母親に逆らえないエディ、逆に反発することで母親の愛情を確かめたかったルイ、
「少しおつむが足りない」ことで母親から自立できない状況のベラ、
結婚して独立したけれど、実家に帰ると呼吸がおかしくなり言葉を発することができなくなるガート。
そして、そんな風に子どもたちを育てざるを得なかったミセス・カーニッツの悲しい過去。
それぞれが、少しだけ過去と折り合いをつけて、未来に踏み出していく。
ミセス・カーニッツの草笛光子さんの威厳のある母親に圧倒された。
キャピキャピながらも複雑な感情を抱えたベラの中谷美紀さんも印象的。
開幕直前記者会見より: