作・演出 三谷幸喜
出演 片岡愛之助 優香 藤井隆 迫田孝也
天王洲 銀河劇場にて観劇
【あらすじ】
舞台は19世紀末のロンドン。
ジキル博士が開発した新薬は、人間を善悪二つの人格に分ける画期的な薬、のはずだった。
それを飲んだジキル博士は、別人格のハイド氏に変身する、はずだった。
学会発表を明日に控え、薬がまったく効かないことに気づいたジキル博士。
追い詰められた末の、起死回生の薬とは?
(天王洲 銀河劇場HPより引用 http://www.gingeki.jp/performance/index.php?date=201405)
三谷作品では久々な純粋コメディ。
その触れ込み通り、爆笑に次ぐ爆笑!
三谷コメディの本領発揮といったところで、見終わって大変スカッとしました。
優香さんは初舞台とは思えない思い切りの良いコメディエンヌぶり。優香さんの魅力を知りました。
ドラマ『半沢直樹』でおなじみになってしまった(?)愛之助さんのオネエキャラのお約束もあり、藤井さんのお笑い芸人としての安定感と、迫田さんのナイスアシストでさらに爆笑を呼ぶ、そんな舞台でした。
ドタバタといえばドタバタなんですけれど、吉本新喜劇のようなドタバタとは違うのかなと思います。
『君となら』や『バッドニュース★グッドタイミング』にも共通した、嘘がばれないように取り繕い、嘘に嘘を重ねてどんどん妙な状況になる人間の可笑しさ、そのシチュエーションの面白さなのだろうと思います。
以下、ネタバレをふんだんに含みますのでご注意を。(空白あけます)
①ジキルの婚約者で貞淑なお嬢様のイブに、薬の開発が失敗だったことがばれないように取り繕う面白さ。
②お堅くて面白味のないジキル(愛之助さん)と、正反対(っていうんでしょうか、ワイルドとおちゃらけとスケベが入り混じったような)ハイド(になりきるビクター)(藤井さん)が、
イブ(優香さん)に振り回される面白さ。
③イブが薬を飲んでしまい、清楚なお嬢様の反対が淫らで女番長的なお姉さま・ハイジになってしまってさらに、ジキルとハイドを振り回す面白さ。
どんな人間でも、「本当はもっとこうありたいのに、殻を破れない」部分を持っているというのが基本テーマにありつつ、ジキルが開発したという「薬」の効果を巡ってのドタバタ。
そして酒と涙の役割が最後の最後でわかって、なるほど~。
いい意味で、後に残らない、ただ笑った1時間45分でした。