【あらすじ】
西暦2265年、宇宙の居住空間「うず潮」と地球を結ぶルート、通称「ギャラクシー街道」の通り道にあるハンバーガーショップ。この店には、地球人だけでなく、様々な宇宙人が立ち寄り、それぞれの時間を過ごしている・・・
”SF好き”の方は、思わずニヤリとされるのではないでしょうか?
「1960年代に作ったSF映画」といった体裁で手作り感満載、どこかノスタルジーを感じます。
また、2001年宇宙の旅、スタートレック、猿の惑星、(60年代じゃないけど)E.T.?
これらの作品を彷彿とさせる要素がありました(私はSF映画に詳しくないのでこれくらいしかわかりませんでしたが、他にもありそうです)。
三谷さんは今回「SF」映画を作るにあたり、過去の様々なSF名作への愛をこめて、これら作品の象徴的なエッセンスを集め、配置していくところから始めたのかなと勝手に想像します。
ストーリーは、ハンバーガーショップに集まる宇宙人たちそれぞれの、とある1日の出来事。
ドラマティックなことはほとんどなく、誰かが成長するとか、感動的な出来事があるとか、課題が解決するとか、そういうことはありません。
大きな山も谷もないかもしれないけれど、道端に咲く雑草の花を見つけてちょっと微笑むような等身大の人生。これはこれでいいよね、と言われているような、ほっこりした気分になりました。
また、関わりのないはずの他人同士が、同じハンバーガーショップに居合わせたことで、ハプニングに力を合わせるシーン。これは、三谷作品の特徴の一つですね。
もともと「感動はない、笑いだけ」という触れ込みでしたので、感動はありませんが、笑いの内容は、かなりシュールです。
三谷さんの「SF名作」へのオマージュに、”平凡で等身大な人々”への愛を織り込んだ作品だなと思いました。
これまでの三谷映画を観ている方へ、エンドロールもきっちり見ると、某俳優さんの役名でニヤリとすると思います。