沼田城はそもそも北条、真田どちらのものなのかを裁判さながらの話し合いで決めようという沼田裁定。その裁定の様子を描いた前半と、裁定の決着もむなしく北条攻めの戦へと向かっていく後半それぞれに緊迫感があり見応えがありました。
沼田裁定
北条の名代である板部岡江雪斎と、真田の名代である真田信繁。二人はそれぞれに沼田が自分たちのものであると主張しますが、内容は真っ向対立。
二人の主張合戦は、徳川が北条、真田それぞれに約束した証書の内容を交えて激しくなる。
ここでは3人の言葉がとても印象的。
江雪斎の「これは戦だ。我らがやりあうことで真の戦をせずに済む」。
秀次が、裁定の場を誰もが納得する形で治めた「語るに落ちたな」。
本多正信の「必死で戦っている若者を見たら手を差し伸べてやるのが年寄りだ」。
議論の場は、真田の勝利。けれども、どうしても北条を上洛させ、戦を避けたい三成の強い思いから、沼田は北条に差し出すこととなりました。(ただ、名胡桃を含む1/3は真田に残る)
沼田城と言えば、矢沢の大叔父様。
沼田城を守るために死んでいった者たちのことを思うと・・・と悔しがり、哀しがる大叔父様の姿に言葉もありません・・・。
戦とは何なのか。城を攻め、領地を拡大し、勢力を拡大することの末にあるものは何なのか。考えさせられました。
北条討伐へ
しかし北条氏政は納得せず、上洛もしません。そして北条の部下が、あろうことか名胡桃を奪います。
今までなら、奪われた真田が北条から奪い返す戦となるところ、秀吉のもとでは戦を勝手にできず、秀吉の許しがいります。
秀吉の答えは、名胡桃の件を一任してほしいという。
奪われた城を自分で奪い返すこともできない悔しさ。家臣も、城も、単なる政治の道具に使われてしまう。何のために秀吉に従ったのかと嘆く昌幸。
出浦昌相は、聚楽第を落とせるといい、昌幸は笑います。昌幸も本当はそうしたい。悔しくてたまらない。その気持ちを昌相が代弁してくれることで、昌幸の気持ちも多少は和らぐのでしょう。大人の熟成した味わいのある主従ですね。
北条氏政は、江雪斎の想いもむなしく、秀吉の再三の上洛催促を断ってしまい、秀吉に北条討伐の口実を与えてしまいました。
氏政は徳川を味方につけるよう、江雪斎に命じます。が、時すでに遅し。家康が真心こめて説得した時に上洛しておけばよかったのに・・・。駿府に赴き、雨に濡れた江雪斎が哀れでなりません。。。
氏政は徳川を味方につけるよう、江雪斎に命じます。が、時すでに遅し。家康が真心こめて説得した時に上洛しておけばよかったのに・・・。駿府に赴き、雨に濡れた江雪斎が哀れでなりません。。。
秀吉は、戦をしたくてたまらない。
秀吉は戦でのし上がった人なんだなと思います。
戦がないと、つまらないんでしょう。攻める相手がいないと、この前の落書事件のように、内側に狂気をむけてしまうか、新しく攻める相手を探さずにはいられないのかも。
三成は戦は苦手っぽいので、戦のない政治で世の中を動かしていく方が合っている。
この二人の得意分野の違いも、なにか悲劇を産みそうな予感がします。
お兄ちゃん、カッコいい
名胡桃の話で信幸が舅に口を出すなと喝破したのはよかった。信幸の背景に映る六文銭の旗が、これから信幸が真田を支えることを示しているようで頼もしい。小松姫もお父さんにいわれて心開くようになるかも。