あんのよしなしごと

三谷幸喜さんの作品の感想、本の感想、映像作品や音楽の感想などをつづったブログです。

大河ドラマ 真田丸 29話 「異変」 感想:目に見えて衰えていく秀吉が切ない

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目に見えて衰えていく秀吉

ここまでシビアに老いの衰えを描くのかと言うほどに、おねしょをしたり、物忘れが多く同じことを何度も言ったり、ちょっとしたところに躓いたり、昔好きだったお菓子を覚えていなかったり。

前回までのような怒りで叫んでいた秀吉をもう一度見たいとすら思ってしまいます。

関白秀次がいなくなり秀頼が幼い現時点では、秀吉が衰えるということは、豊臣の弱体を意味してしまう。

ああ、返す返すも秀次があんなことにならなければと、失った人物の存在を大きく感じます。

源次郎と源三郎のスタンスの違いが生まれ始めた?

ストレス一杯の源三郎は夜な夜なおこうさんのもとへ。とうとうおこうさんご懐妊!
そして実はものすごいツンデレだった(?)稲姫もご懐妊!
一気に二児の父となる源三郎は秀吉の衰えにも気づき、秀吉亡き後は一波乱あると考えています。

一方の源次郎は、大谷吉継の娘、春姫を正室に迎え、秀吉からも直々に石田三成を助けるよう言われ、豊臣家のために行動し、秀吉亡き後も豊臣の天下は変わらないと考えている様子。

真田のために行動すると言い切る源三郎から見ると、源次郎は豊臣に深入りしすぎていると指摘します。

このあたり、犬伏の別れに向けた伏線の一つなのでしょうね。
源三郎と源次郎はそれぞれ舅が徳川家重臣、豊臣家重臣という事情はあるけれども、その事情において二人が東軍西軍に分かれるのではなく、「真田家を守る」ために判断する源三郎と、「自分の気持ちに正直」に行動する源次郎、そんな違いが生まれてくるような気がします。

きりちゃん、女性たちの想い

目をかけてくれていた秀次が亡くなり、想い人だったはずの源次郎は一度に二人も妻を迎えることに。いつも元気なきりちゃんですが、さすがに今回は元気がなさそう。

頼まれて細川ガラシャの許を訪れたきりちゃんは、秀次から贈られたマリアの絵を胸に、キリシタンの集まりに心を穏やかにしていきます。

新しい源次郎の正室、春姫とすれ違ったときは、「おうめちゃんと私の良いところを兼ね備えている」と少し「きりちゃん節」が復活していましたが、完全復活の日を楽しみにしたいと思います。

今回は、嫉妬する薫さん、稲姫、傷心のきりちゃん、秀吉の衰えをどうしようもなく受け入れるしかないお寧様、秀吉よりも秀頼第一の茶々と、女性たちがそれぞれ抱える想いが垣間見られた回でもありました。

(三成が源次郎に春姫は大変な娘だと言ったのが気になりますね)

次回予告も切ない

あれは、源次郎と秀吉が出会ったシーンの再現?

吉野太夫は、徳川家による昌幸暗殺のための刺客?

そしてついに、猿も木から落ちる・・・?