あんのよしなしごと

三谷幸喜さんの作品の感想、本の感想、映像作品や音楽の感想などをつづったブログです。

大河ドラマ 真田丸 43話「軍議」 感想:権力のある素人が口出して失敗する「あるある」パターン

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その道のプロ(武将)達が、勝つために真剣に考えた策を、権力のある素人(茶々)が否定してひっくり返す。

そんな「サラリーマンあるある」みたいな状況に思わず胃がキリキリした今回。

思いはバラバラだった大坂五人衆をまとめ上げた信繁!

信繁以外の五人衆、大野治長ら秀頼側近は籠城を唱えたが、信繁は打って出ることを献策(昌幸が遺した策のアレンジ)。

昌幸のモフモフを着ているだけあって、態度も昌幸そっくりになってきました。

長曾我部再興、キリシタン普及、自分の力を試す、と大坂に来た目的はバラバラだが「勝つ」という共通項を見出した信繁。
さらに勝つための軍議の場で後藤又兵衛の目的を「死に場所を求めているから」と指摘することで又兵衛が推す策=籠城は負け筋であることも示唆した信繁。

1対残り全員が、織田有楽斎を除く全員、対、有楽斎にひっくり返る様は、三谷さんの舞台「12人の優しい日本人」さながら。

茶々と大蔵卿の命で頑なに籠城策を取ろうとしていた木村重成、大野治長が最後は自分の頭で考え、行動したのはスカっとしました。

(まぁ、それでも結局は茶々の一声ですべてがひっくり返るのを止められない二人なのですが・・・)

それにしても、茶々は「信じられるのは真田だけ」と言っておきながら、真田の献策を採らないなんて。
秀頼が茶々の言うことを受け入れすぎるからではあるのですが・・・。

返す返すも、きりちゃんの言うとり、茶々は人々を不幸にする怖い女性です・・・

片桐さん!あなたどうして・・・

長年仕えた豊臣家から追放されてしまった片桐さん。あろうことか家康の家臣に!

これではもう、大坂城の弱点は徳川に握られたも同然。

信之お兄ちゃんの想いが優しすぎる

真田の人間が徳川の軍勢にいると、源次郎が遠慮して好きなようにできないから、自分の息子たちが戦に加わらないようにしたい、14年間九度山で蟄居していた源次郎を好きなようにさせてやりたい、という信之お兄ちゃん。

徳川の家臣としては言ってはいけないことだけれど、弟を想う兄の優しさに心打たれます。

それを松姉さんに託したことで、もしかしたらちょっとややこしいことになるかもしれないけれど。。。

 


中枢が的外れでベストな策がとれない、敵方にこちらの事情を知り尽くした人物がいる、など悲劇のヒーロー道まっしぐらな信繁ですが、次回はいよいよ「真田丸」登場のよう。

豊臣方を見ていると、トップが愚かな組織のやるせなさに胃がキリキリするので、これからは振り切ったド悲劇にしてもらって号泣できる方がいいかも・・・