WOWOWの放送で観ました。
佐藤B作さん主宰の劇団東京ヴォードヴィルショーの創立40周年記念公演の一つとのこと。
【あらすじ】有権者人数100あまりの小さな村の村長選挙をめぐるお話。
前村長の引退をきっかけに、その息子ら親族が立候補する村長選挙。
合同演説会ではお互いのスキャンダルを暴露しあい、足を引っ張り合う。
果たして村長選挙の行方は・・・?
人間ってしょうもないなぁ、でもそれが人間だよなぁ、という内容でした。
選挙の行方を左右するのが「村のエネルギー問題」ですが、この作品が、佐藤B作さんの故郷・福島で初演を迎えたこととあわせ、何らかの意味があったのかもしれません。
三谷さんは東京ヴォードヴィルショーにいくつかお芝居を書かれています。
- にくいあんちくしょう(1991、原作:滝大作)
- その場しのぎの男たち(1992)
- アパッチ砦の攻防(1996)
- 竜馬の妻とその夫と愛人(2000)
- エキストラ(2006)
- 田茂神家の一族(2015)
WOWOWでは佐藤B作さん、演出の山田和也さんのインタビューがあり、お二人とも三谷さんのことを「三谷君」と呼んでいて、今はもう中堅どころかベテランの域に入った三谷さんのことを君付けで呼ぶ人はきっと少なくなっているだろうなと思うとその変わらないスタンスになぜかとても嬉しくなりました。
また今回、B作さんは初めて三谷さんに脚本の書き直しを依頼したそうです。
書き直しなんてお願いしてもいいのだろうかと恐る恐る申し出られたそうですが、三谷さんは「ダメ出ししていただいて、ありがとうございます」とおっしゃったとか。
このエピソードをお話しされているB作さんは涙ぐんで言葉に詰まってらっしゃいました。
三谷さんのエッセイ「ありふれた生活」で三谷さんは度々「以前は現場で自分が一番若かったのに、いつのまにか自分が最年長になってしまった」ことをやや寂しそうな筆致で書かれています。
B作さんのダメ出しは、三谷さんにとって、本当にありがたいものだったのではないかと思いました。