2016年に本屋大賞を受賞した『羊と鋼の森』の作者でもある宮下奈都さんの『よろこびの歌』を読みました。
【あらすじ】
ヴァイオリニストを母にもつ御木元玲は、声楽家を目指して音大付属高校を受験するも失敗。音楽科のない新設女子高に進む。
自分も周囲も落ちるわけがないと思っていた受験に失敗した失意から、高校生活に何の希望も期待も抱かず周囲にも溶け込もうとしなかった玲だったが、校内の合唱コンクールで指揮をすることになり―
玲も、玲のクラスメイト達も、自分の「今」に小さな葛藤を抱えていて。
合唱に興味なんかなくてバラバラだったクラスが、ある出来事をきっかけに心が一つになっていく。
孤立していた玲が、周囲の子たちと打ち解けていく過程がいい。
玲は周りを見下していたところがあったけど、周りの子たちに救われて、周りの子たちのお陰だときちんと自覚して成長する。
彼女たちはこの経験をきっと忘れずに、その後の人生を生きていくんだろうな・・・
それにしても、高校生たちはなんと瑞々しくて爽やかで眩しいことだろう。
青春物語は、いわゆる心の洗濯をしたい時にはベストですね。
ただ、かえって洗われすぎて、次にドロドロしたオトナな物語を求めたくなる衝動も覚えますが。