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三谷幸喜作品と本の虫★あんのよしなしごと

三谷幸喜さんの作品の感想、芥川賞受賞作品を中心とした本の感想、音楽やハンドメイド関連などをつづったブログです。

大河ドラマ 真田丸 21回「戦端」 感想:沼田はいつまでも争いの火種

三谷幸喜 映画・テレビ 真田丸

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火のない所に周りが煙を立てる

秀次が叔父としてお捨に風車をつくってやる愛情は心から。
それは、源次郎の娘に叔父の作兵衛が風車を作ってやる愛情と何も変わらないことを示しています。

それなのに周りが勝手に秀次がお捨の存在を面白く思っていないという、世継ぎ争いの「火種」としてしまう。

自分の意図とは真逆に取られ、争いになっていく悲劇の予兆がここに。。

家康がお笑い担当からいつの間にか「いい人」担当に?

秀吉からの上洛の督促を無視し続けている北条氏政。相変わらずの傲慢ぶり。
秀吉は業を煮やして、北条を討つという。
 
しかし今戦になれば戦乱の世に逆戻りしてしまうため、三成は、戦は避けたい。

 
そこでまさかの家康が北条氏政のところに出向いて説得!

「長い物には巻かれよとは、生き延びるための知恵と心得る」 

北条に対して家康が「過去にいろいろあったが戦仲間として、救いたい。たまには何の得にもならないことをしてみたくなるもの」としみじみと語り、本多正信を感動させた後で、表情が厳しくなり「どうでるかのう」。

家康の本心がなかなか読めませんね。

家康は秀吉の現在の力を認めつつ、一方でその危うさも感じ取り、「鳴かぬなら、鳴くまで待とう時鳥」の気持ちなのかもしれません。

沼田の所有権を戦ではなく調停で決めることに

北条は、上洛の条件として「沼田を北条のものとすること」と言ってきました。
当然、真田は認めるはずがありません。

そこで第三者の立場として徳川の立会いのもと、北条、真田の調停で決めることに。

話し合いという、「新しい戦」。面白くなりそうですね。

その場を陰に隠れている昌幸が、最後まで隠れているままなのかも気になります。

 その他

  • 茶々の「私は子を産んだのよ」アピール、お寧様が気の毒。。
  • 信濃の料理が口に合わないお稲は、「父から持たされた薄味の梅干しがあるからいい」と強情。その梅干しがなくなったらどうするの・・・?と思ったら、本多平八郎は、数日と開けずに娘のお稲に会いに来ているとは。それなら梅干しの補充もできますね ^^;
  • おばば様の体調が心配。逆に元気になったおこうさん。
  • お松姉さんは、記憶が定かじゃないのね。。
  • そういえば、源次郎には娘がいたのだった!すっかり忘れてました。
  • きりちゃん、久々に勘違いキャラ復活!?
  • 京の真田屋敷、昌幸が大好きな隠し扉なのに、源次郎が勝手にやめてしまって、お父さんが可哀想。
  • 真田丸紀行で沼田の「河岸段丘」が紹介され、脳裏に浮かぶ「ブラタモリ」のタモリさん。

 

大河ドラマ 真田丸 20回「前兆」 感想:秀吉と茶々の狂気に包まれていく

三谷幸喜 映画・テレビ 真田丸

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真田家は家族愛であふれている

家康の命令によっておこうと離縁し、本多忠勝の娘、稲を嫁に迎えることになった信幸。

おこうは驚きながらも、信幸が悩みぬいた末の決断ゆえと受け入れ、潔く身を引きました。

おばば様、薫、そしてまさかの佐助、それぞれにおこうとの別れを惜しむ姿に思わず涙ぐみました。

なのに、昌幸よ・・・「断るつもりだったが源三郎(信幸)がどうしてもというから」なんて・・・
そしてお松姉さんよ・・・「あなたのことはほとんど覚えていない」なんて・・・

娘が可愛くて仕方ない忠勝が、輿入れの従者に紛れてまでも一緒についてきてむせび泣いている姿。

離縁されても源三郎の側近くに仕えたいと、立場を変えて残ったおこう。

真田家のまわりは家族愛であふれています。

冷酷で殺伐とした豊臣家

一方で秀吉は、聚楽第に帝の行幸を迎え、我が世の春。
そこへ、茶々の懐妊の知らせ。

しかし、茶々のお腹の中の子は秀吉ではないのではないか、という落書きが見つかり、秀吉は大激怒。

源次郎(信繁)や石田三成は何とか事を穏便に治めるべく、秀吉の弟の秀長、甥の秀次に相談するも解決せず。

犯人はなかなか見つからず、秀吉はあろうことか、門番十数人全員を磔にしてしまいました。

一見、動じていないように見える三成も、いくら酒を飲んでも酔えない、とこの出来事には憤りを感じているよう。
秀吉が帝を迎えて肩が凝ったと言ったときに「風呂にへぁるのがよろしいかと」三成が珍しく訛ったのは、天狗になりすぎるのを暗に諫めていたのかもしれません。

そして秀吉の怒りはさらにエスカレート。

怪我で亡くなった門番の一人を犯人と仕立て上げることで事の収束を図ろうとした三成(案を出したのは源次郎)に追い打ちをかけるように秀吉は、その門番の一族郎党を磔にせよと命じます。

これまでどんな理不尽な秀吉の命にも従ってきた三成も我慢ができず、秀吉の乱心ぶりを諫めます。

怒った秀吉は三成に切腹を言いかけたところで・・・お寧様が危機一髪で止めに入ってくれました。良かった。ここで三成が切腹する流れではないとわかっていながらも、ほっとしました。

秀吉を止められる唯一の良心、お寧様

殿下は変わってしまったのではない、昔から恐い人だったと、秀吉のことを一番理解しているお寧様。

お寧様はいったいどんな気持ちでこれまで秀吉の側にいたのでしょうか。

阿茶の局に「尾張の小さな武家の出なのに」などとチクリと嫌味言われても顔色変えずにデーンと構え、まるで母親のように秀吉の行き過ぎた行動を諫めることができる唯一の存在になってしまいました。

冗談でもお腹の子の父親は源次郎だと秀吉に言うなど、相変わらず周囲に毒を振りまく茶々と、茶々におぼれていく秀吉。

愛に包まれた真田家と正反対の大坂城。愛のある家で育った源次郎は、大坂城の毒気の中をどう生き抜いていくのでしょうか。。

今回の気になった小ネタ

怪我で亡くなった門番を落書きの犯人に仕立て上げるため、源次郎が首を落とそうとするもどうしてもできず、大谷吉継に代わってもらったシーン。

大河ドラマ「新選組!」で源次郎役の堺雅人さんの山南が、いざ敵を前にしてもどうしても人を斬ることができなかったことを思い出しました。

 

 

 

大河ドラマ 真田丸 19回「恋路」 感想:茶々の呪い

三谷幸喜 映画・テレビ 真田丸

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今回は、2つの政治的な結婚、つまり秀吉と茶々、信幸と本多忠勝の娘、稲との縁組がまとまるまでの話。

信幸と稲

家康は真田を与力大名として迎えたは良いけれど、昌幸のことを信じられない。
そこで身近な人間をスパイとして真田に送り込む必要があった。

白羽の矢が立ったのが、本多忠勝の娘、稲。

昌幸の嫡男である信幸の嫁とすることで、真田の中枢に入り込ませることができる。

しかし忠勝は以前の回で見せたように、娘の稲を大変可愛がっており、宿敵のもとに嫁がせるのは苦渋の選択。

稲本人も嫌がりつつ、家康のためと決意。

信幸も、おこうという妻がいるため、離縁して稲を迎えることになってしまう。
しかし断ったら徳川と真田の関係が悪くなってしまうため、断れない。

信幸も嫌がりつつ、真田のためと決意。

おこうさんが源次郎と梅ちゃんの祝言の日に体調が悪いのを押して信幸との約束のため必死に舞を舞ったり、おこうさんの膝枕で信幸が愚痴っていたりしたシーンや、最近は元気になったおこうさんと信幸の仲睦まじい様子を思い出して切なくなります。

秀吉と茶々

相変わらず茶々は何かと源次郎に絡み、源次郎が意図しないところで二人の仲についての噂が城内に広まっていきます。

加藤清正に井戸に投げ込まれた馬廻り衆と同じ運命か・・・?

一方秀吉は、茶々を側室とすべく茶々に働きかけ。

  • 武具のある蔵に入るなと言ったのは、これから茶々には美しいものしか目に触れさせたくなかったから
  • 茶々に「自分は日ノ本一の幸せな女子だった」と言わせてみせる

茶々はついに側室となることを受け入れました。

身近な人を次々と秀吉に殺されたようなものである茶々。秀吉は憎い存在であるだろうけれど、これから生きていくために「日ノ本一の幸せな女子」という言葉にすがることが、藁をもつかむ思いだったのかもしれないと思いました。

 

茶々が側室となることを機に、源次郎は茶々付きから役職が変わることに。二人の仲の噂もこれでなくなっていくことでしょう。

しかし茶々は、源次郎に重たい呪いをかけていきました。

「源次郎とは不思議な糸で結ばれている、離れ離れになってもあなたはまたいつか戻ってくる。そして私たちは同じ日に死ぬの。」

明らかに動揺した源次郎。

でも源次郎と蔵に忍び込もうとする茶々が「見つからなければいい」と言ったこと。あれ、どこかで聞いたセリフと思ったら第1回で徳川勢の様子見をいさめる三十郎に源次郎「見つからなければいいことですぞ」。確かに不思議な縁・・・?

歴史に詳しくない私でも、数十年後、まさに茶々の言う通りになることを知っています。

源次郎がこの呪いの言葉を大坂の陣の際にどういう形で思い出すのか(思い出さないかもしれませんが)、気になりますね。

そして、身近な人がいなくなることを悲しむのをやめたと言い、自分の死をも恐れないと言いながらも、源次郎とこっそり忍び込んだ武具の蔵で刀が倒れ掛かってきたときに本気で怖がったように生への執着を見せ、そして軽はずみな行動や言動で周囲を窮地に追いやっていく、美しくも恐ろしい茶々。

信長の姪である茶々が側室になったことで、秀吉は織田を取り込み、超えたことになる。
三成の「これからどこに向かっていくのか」という独り言は、三成の新たな
苦悩の始まりを示していたのかもしれません。

そしてナレーションでも茶々が側室となったことで豊臣の崩壊が始まると明言されていましたが、これから茶々がどう豊臣を壊していくのか、茶々の美しい笑顔をみるにつけ、一種のホラーのような気がしてきました。

アクセント

緊張感のある本筋の物語の流れの中で、ちょっと一息つけるアクセントになるシーンは、視聴者としてはとてもありがたいです。「笑いは緊張と弛緩だ」というのは三谷さんの「なにわバタフライ」の中でも語られていましたが、まさに緊張から弛緩して、笑ってしまいます。

  • お松姉さんが今いる駿府城を思い出せないと信幸に記憶喪失中の「お藤」キャラ話していたが、信幸に初めて来たから思い出せなくて当たり前と言われてお松姉さんキャラに戻るところ
  • 笑いどころじゃないけれど、昔から変わらないスタンスで源次郎と接するきりちゃんがいるシーンは、とてもホッとします。