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三谷幸喜作品と本の虫★あんのよしなしごと

大河ドラマ「真田丸」をはじめ、三谷幸喜さんの作品の感想、芥川賞受賞作品を中心とした本の感想、音楽やハンドメイド関連などをつづったブログです。

大河ドラマ 真田丸 34話「挙兵」 感想:これまでに配されたあらゆるパーツが、関ケ原に向かっていく

三谷幸喜 映画・テレビ 真田丸

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That's 三谷脚本!

これまでの物語の積み重ねがあるので、小さなエピソードにでも1つ1つグッときてしまうし、それぞれが絡み合い、必然的に関ケ原に向かっていくのがわかります。さすが三谷脚本。緻密です。

石田三成

あんなにも豊臣のために尽くしたのに、家康の政治力にはかなわず、また性格のせいで加藤清正や福島正則に誤解もされ、ついに失脚。
無念の涙が美しい・・・。

今生の別れと三成は言って信繁と別れましたが、本当にそうなるのでしょうか。

また蟄居の際に加藤清正に何をささやいたのか。三成討伐に加わりながらも本心では三成を案じている清正は、三成の言葉をどう受け止めたのでしょうか。(「家康を殺せ」という、秀吉が三成にだけ言った遺言のことだとすると、清正はどんな思いで関ケ原で東軍につくのでしょうか。中から家康を討とうとするとか!?)

さらに三成が大坂城の秀頼に献上した桃の木。大坂夏の陣でこの桃の木はどうなるのでしょうか・・・。

そして、上杉討伐に向かった家康を討伐すべく三成の下に集まった豊臣旧臣たち。いよいよです。

それはそうと、春ちゃんのことを三成が「やっかいな娘だ」と言っていたのは、三成を好きになった春ちゃんが両想いと勘違いして、三成の奥さんと別れさせようとまでしたなんて^^; そしてこの三成の人間らしいエピソードをよりによって今回入れてくるなんて、三谷さん・・・!

上杉・直江!

出ました、直江状! 長大!

読み上げる兼続の家康を小馬鹿にしたような口調が何とも痛快。
兼続がここまで感情をあらわにした口調になるのは初めてですね。もっと長く聴いていたかった。

そして、真田家

加藤清正らに襲われた石田邸(にある、豊臣家の文書)を守るために、信繁と信幸が協力。

武装した清正らが目にしたのは、将棋崩しをしている信繁と信幸。

この兄弟の阿吽の呼吸!このタッグが見られるのも、今回が最後(次回が「犬伏の別れ」なので)かと思うと・・・

そして、直江状をたたきつけて家康を怒らせた上杉から援軍を頼まれた昌幸。

家康を倒せば再び乱世となると予想し、武田家の所領を取り戻したい一心の昌幸は父の最後のわがままを聞いてほしいと信繁・信幸に頭を下げます。

父が望む乱世にはならないと思いながらも父に賛同する信繁。

舅と敵味方になるため苦渋の決断になるが「真田安房の守の嫡男」だから父に従うと宣言する信幸。

「良き息子を持った」と昌幸は喜び、三人は手を取り合います。

ここからどう経緯があり、三人がどういう決断をもって「犬伏の別れ」につながるのでしょうか。

これまでずっと「真田のため」に力を合わせてきた三人です。望んで敵味方に分かれるはずはありません。

きっと涙なしには見られないことでしょう・・・。ああ・・・。

大河ドラマ 真田丸 33話「動乱」 感想:頑なな三成の心を動かしたのは「義」の男、上杉景勝

三谷幸喜 映画・テレビ 真田丸

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今回の家康と三成の攻防は、世の中を動かすものは「人の心」なのか「義」なのかの攻防なのかなと思いました。源次郎は両方大事にしていると思いますが、今後どう折り合いをつけていくのでしょうか。

圧倒的に分が悪い三成

秀吉が三成に残した「家康を殺せ」という言葉と、家康が徐々に抜きんでた存在となりこのままでは秀頼がないがしろにされるかもしれないという危機感に突き動かされたのでしょうか。

三成は家康襲撃を企てます。

しかしこれを事前に察知した徳川が先手を打ち、大名たちに警護を依頼。大名たちは続々と参集します。

一方で三成方は大変心もとない。

北政所も徳川側、秀頼の旗印も断られ、源次郎が上杉を説得しに行くも「家康を敵に回したくない」ため直江兼続に断られ、小早川秀秋も毛利説得も失敗。

細川忠興を説得しに干し柿を持参した三成は「干し柿で人の心を動かせると思うな!」とかえって忠興の怒りを買い、逆効果で家康に味方される始末。

そして真田家でも、徳川筋の婿である信幸は形だけでもと徳川へ。

きりちゃんの冷静な目

源次郎もどうしたらよいのかわからなくなってしまい、きりちゃんに相談。

そうです、きりちゃんに相談、です。

「物事を偏りなく見る目がある」という源次郎のきりちゃん評。
源次郎はなんだかんだ言っていざという時に頼りにしているんですね。
願わくば、普段もっと優しくしてあげてほしいです。
これだときりちゃんはただの都合のいい女状態ですよ・・・。

でもその期待にきっちり応えるきりちゃん。
「プライドの高い石田様は振り上げたこぶしを下すに下せないでいるのでは」
という答えに、源次郎も納得。

源次郎は父・昌幸に三成を退かせるために家康側につくよう頼み、昌幸も主旨を理解して家康側へ。

家康と昌幸の言っていることと心のうちが正反対なのをお互い理解している狸の化かし合いのようなやりとりには、ついニヤニヤしてしまいますね。

信幸も驚きつつも、昌幸とのアイコンタクトで昌幸が来た目的(三成を退かせて戦にはしない)を理解します。さすがは真田親子。この以心伝心はしびれます。

そして家康側の場を仕切りだす昌幸。加藤清正はそれに意義を唱えますが、かつて大谷刑部の安房の守に任せようの一言をきっかけに、伊達政宗、細川忠興も異論なし、ということで収まりました。

(昌幸が意見は名乗ってから、という言葉に律義に従って一言いうたびに名乗る政宗と忠興^^;)

加藤清正、大谷刑部の説得もむなしく頑なな三成

加藤清正と大谷刑部は、三成のことを良く知り、本来は三成のとても頼もしい味方であったはずの二人です。

一旦家康の元に参集した清正ですが、三成の無謀な企てを止めるべく三成のもとに出向きます。

「力ずくで事を動かそうとするなんてらしくない」「お前のことだから振り上げたこぶしをどうしたらよいのか困っているんだろう(だったらわしと腕相撲・・・)」

と、何とか三成に撤回させようとするも

三成「徳川屋敷へ帰れ」
清正「本当の戦になったらわしはお前を殺すぞ」
三成「望むところだ」

清正がどれほど三成のことを案じていると思っているのか、三成は清正の心知らず・・・。ああ・・・。

そしてことごとく加勢を断られた三成が最後にやってきた大谷刑部邸。

戦支度をしている刑部に「持つべきものは友」と涙を浮かべた三成に・・・

刑部「勘違いするな。私が行くのは徳川屋敷だ」「徳川を殺してそのあとどうなる、自分が政の要になるつもりか、お主に人がついて来ないのに、それができると思うのか」

と、理詰めで撤退を迫るも、三成は「(大谷刑部との仲も)ここまでだ」とやはり退かない。

そして上杉景勝様

静かにことを見守る景勝と兼続。

景勝「(三成は)義のために命を捨てるか」
兼続「それができる男です」
景勝「では、わしはどんな男じゃ」

一方、大谷刑部も、真田昌幸も家康側についたと知った三成。勝ち目はないと悟りながらも自分の単独行動として襲撃決行しようとしたところで源次郎が決死の説得。

「石田様にしかできないことがある。死んではならない」

そこへ登場したのは景勝様!

「徳川はわしが倒す」

義をないがしろにするものは許さないと!

そして、景勝様が渾身のハグ!

天下取りに覚醒してしまった家康

この一件で豊臣恩顧の大名が自分の元に集まったことを実感した家康は、とうとう天下取りを決心します。

本多正信の思惑に見事にはまったということですが、これでとうとう家康の狸っぷりに拍車がかかりそうですね。。。

大河ドラマ 真田丸 32話「応酬」 感想:政治家・家康 vs 実務家・三成

三谷幸喜 映画・テレビ 真田丸

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家康が動き始める

本多正信に「天下取りを」とそそのかされても「くどい」とその気を見せなかった家康ですが、いざ秀吉が亡くなったことを知ると、秀吉に手を合わせつつも、政治の主導権を握ろうと動き始めました。

そのやり方は、慎重で抜かりがない家康らしいもの。

  • まず、万が一自分が討たれても嫡男は生き延びるように秀忠を江戸に返し、
  • 阿茶局を通してお寧様に石田三成がわがままであることを印象付け(それは後に三成が寧様に誤解である旨説明して事なきを得たのですが)
  • 諸大名など政治の主要人物を宴会に招いて関係を深め、大名との縁組という政治的重大事を秀吉の遺言に背いて勝手に進め、
  • それを源次郎から内々に問いただされると「秀吉が亡くなっていない(亡くなったことは公表されていないため)から、遺言はまだ効力がない」と屁理屈を言い、
  • 秀吉が亡くなったことが公表されてから評定で指摘されると今度は「遺言のことは忘れていた」ととぼける始末。

家康の力の大きさに、他の老衆も異を唱えることができなくなってしまいました。

源次郎から家康の抑え込みに力を貸してほしいと頼まれて承知した上杉景勝も、最初は頑張って「忘れたでは済むことではない」とつぶやいたものの、結局は「なんでもない」と・・・。景勝様、ここでもできぬ約束を・・・^^;。

さて家康の狙いは、「実質的な政治の主導者」ということなのかなと思います。

戦嫌いの家康ですし、秀吉からうまいこと権力を自分にスライドさせられれば良くて、豊臣が表向きは一番「上」であり続けることにもこだわりはなかったのではないかと思いますし、豊臣を滅ぼすつもりもこの時点ではなかったのではないかと。

実務家であって、政治家ではなかった三成

もともと裏方気質で人々をまとめるタイプではない三成。
政治の混乱期には、やはり実務家ではなく、政治家が強いのですね。


徳川の台頭に焦っているのか、今回の三成はダメダメでした。

徳川が大名を招いた宴会をしていることに対抗して三成も宴を催しますが、身内以外でやってきたのは細川忠興のみ。

その、せっかく来てくれた細川忠興に対してももてなすことをせずにさっさと部屋に戻ってしまう始末。

また加藤清正らが帰国して労いの宴を催したのはいいけれども、やはりさっさと部屋に戻ってしまう。
清正が「お前ともっと話をしたい、一緒に飲みたい」と言っているのに、三成は「話すことはない、一緒に飲みたくない」と振り切ってしまうなんて。
これでは人の心はどんどん離れていってしまうのに。

そしてその隙をついて、加藤清正と徳川の縁組成立という、徳川の動きの速さ。

本当は三成にとって清正は一番心強いはずの味方で、清正だって三成と一緒に豊臣を守りたかったはずなのに、三成は自分から心強い味方を失うようなことをしてしまいました。

結局、家康を老衆から追い出す企みも失敗し、逆に評定の場で家康に盾突いたことで家康に一喝されて立場をなくしていく三成。

とうとう家康を討つと決意を固めた様子ですが、どうみても勝ち目がないように見えますよね・・・。

真田家は

家康が秀忠を江戸に返したことを不思議がる信幸・信繁に対して、昌幸は「織田の二の舞にさせないため」とその意図を見抜き、さすがでした。

秀忠も家康の意図を汲めずに家康に怒られていましたから、子ども世代はまだまだ未熟ですね。

そして今回は、信幸・信繁兄弟が二人で行動しているところが多く、嬉しかったです。
二人とも、徳川・石田の対立など望んでいない。

それなのに情勢は限りなく徳川・石田の対立に動いており、予告の「敵味方に分かれて戦うことだけはごめんだ」という信幸のセリフが、突き刺さります・・・