作・演出:三谷幸喜
出演:柿澤勇人 佐藤二朗 広瀬アリス
八木亜希子 横田栄司 はいだしょうこ 迫田孝也
音楽・演奏:荻野清子
森ノ宮ピロティホールにて観劇
【あらすじ】
ホームズとワトソンがベーカー街221bで同居を始めたのは、1881年の1月といわれています。これは、彼ら名コンビが出会ってから、「緋色の研究」で描かれた最初の事件に遭遇するまでの数ヶ月間の物語。ホームズはまだ二十代の若者。
人間としても探偵としても未完成のシャーロックが直面する、人生最初で最大の試練とは?
観劇からだいぶ絶ってしまいました。以下ネタバレありの感想です。
ヴァイオレットが持ち込んできた事件をシャーロックが推理する・・・と思わせて、実はその事件はシャーロックの兄マイクロフトが仕掛けた「でっち上げ」の事件だった。
そのことをすぐには見抜けなかったシャーロックは傷ついてしまい、兄は探偵なんかやめて自分の元で働けと言う。
それに対してシャーロックは探偵の仕事で生きていくために兄にとある「勝負」を持ちかける。
この兄と弟の勝負が軸となる物語ですが、柿澤さん演じる若きシャーロックが本当に可愛らしいし、横田さん演じる兄マイクロフトもただ弟を支配したがるだけの兄ではなく、その裏に愛と嫉妬が見え隠れし、兄と弟の複雑な関係が表現されています。
また佐藤二朗さん演じるワトソンのシャーロックに対する温かさにほっこり。シャーロックもワトソンに甘えていて微笑ましい。
英題が「The Spare」なのはどういう意味だろう?と思っていたのですが、
- シャーロックは、ホームズ家の次男であり家を継ぐ兄マイクロフトの「スペア」
- ワトソンは同じ医者である有能な妻の「スペア」(しかも妻には愛人がおり、その愛人の「スペア」ともいえる)
- 女優の卵ヴァイオレットはいつも代役しかできない「スペア」
ということでしょうか。
あと迫田さん、すっかり三谷作品の常連になりましたね。安定感があって舞台にいらっしゃるだけで安心します。