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三谷幸喜作品と本の虫★あんのよしなしごと

大河ドラマ「真田丸」をはじめ、三谷幸喜さんの作品の感想、芥川賞受賞作品を中心とした本の感想、音楽やハンドメイド関連などをつづったブログです。

三谷文楽「其礼成心中」感想

 

stage.parco-enta.com

作・演出 三谷幸喜 パルコ劇場にて観劇

【あらすじ】近松門左衛門の『曽根崎心中』がヒットしたために、曽根崎界隈で心中ブームが起きてしまい、曽根崎の天神の森のはずれで饅頭屋を営む半兵衛の商売は「縁起の悪い饅頭」と言われてさっぱり。

そこで半兵衛はこれ以上曽根崎で心中はさせまいと、天神の森を夜な夜なパトロール。ある夜、心中しようとしていたカップルに出会った半兵衛は、妻のおかつとともに心中を思いとどまらせようと説得するのだが・・・

以下、ネタバレご注意を。

最初に、私は文楽超初心者です。それを前提にお読みいただければと思います。

まず、人形なのに、人形に見えなくなって、むしろ人間が演じているよりも、感情がストレートに伝わってくることに驚きました。

私は特に、おかつの人形の所作に感動しました。立っているところから正座するときに裾をあしらうところや、半兵衛に手をやるところ、半兵衛と一緒にライバルの『心中天網島』を観ているときの様子など。細かい動きなのだけれど、品の良さ、人柄の温かさを感じました。この人形の動きが3人の人形遣いの方の連携で行われているなんて・・・!

また、最初の方は人形の動きとセリフを別々の人(人形遣いと太夫)が担当する文楽のスタイルにちょっと戸惑ったところもありましたが、進むにつれてそんなことは全く気にならなくなりました。

ストーリーはわかりやすく、語りもとても聞き取りやすく(パンフレットによると三谷さんは台詞の聞き取りやすさにはずいぶん配慮されたとのことです)、文楽初心者にはよい入門作品になるのではないでしょうか。

三谷さんの歌舞伎『決闘!高田馬場』のときも思いましたが、ともすると敷居が高いと思われがちな文楽や歌舞伎といった伝統芸能に興味を持つきっかけとしても良いのではないかと思いました。

もちろん、これは三谷作品、たくさん笑わせてもらいました。

最近の三谷作品は重たい内容が多いですがこの作品は久々のハートウォーミング・コメディ。これは文楽というスタイルにお客さんを集中させるためなのかもしれません。

なお劇中で近松門左衛門に語らせた、「史実を基に作品を作るときの心境」については、大河ドラマ『新選組!』の際に色々言われたであろうことが頭をよぎりました。。。