三谷幸喜作品と本の虫★あんのよしなしごと

大河ドラマ「真田丸」をはじめ、三谷幸喜さんの作品の感想、芥川賞受賞作品を中心とした本の感想、音楽やハンドメイド関連などをつづったブログです。

「君となら」(初演版)感想

作:三谷幸喜 演出:山田和也

出演:斉藤由貴、角野卓造、益岡 徹、高林由紀子、伊藤俊人、宮地雅子、佐藤 慶

舞台に行ったわけではなく、NHKの放送で観ました(’95頃でしょうか)。
私の三谷幸喜さんとの出会いの作品です。テレビを見ていて思わず声を出して笑ってしまうなんて、初めてでした。

【あらすじ】
父親よりも年上の恋人が家に訪ねてくることになり、娘は何とかしてやってくる人物が恋人であることを家族に知られないように嘘に嘘を重ねていくのだが、恋人の息子まで現れて、さらに事態は複雑になっていく・・・。

東京サンシャインボーイズ時代の舞台作品は残念ながらみていないので違うのかもしれませんが、以降の「バッド・ニュース☆グッド・タイミング」や「HR」を観るにつけ、三谷シチュエーションコメディの原点ともいえるのではないかなと思います。

ビデオ化・DVD化もされていないため当時観た時の記憶しかなく、良い印象だけが残っているということもあると思いますが、それを考慮に入れても、譲れない傑作です。

圧巻は「奇跡的に会話が成り立っている」瞬間。(以下少しネタバレします、注意!)。
娘(A)の恋人(B)のあだ名は「ケニー」。
娘の母親(C)は、娘の恋人の息子(D)のことを娘の恋人「ケニー」だと誤解し、その二人を結婚させてもよいと思っている。
一方娘の恋人の息子(D)は、自分の父親(=B)が、娘の母親(=C)と恋人同士だと思っていて、父親(B)の再婚を快く思っていない。さらに「ケニー」は娘の家の飼い猫(飼い猫は実際は存在しない)だと思っている。
母親(C)は息子(D)に「ケニー」と呼びかけるのだが、息子(D)は自分のことだとは思わず、猫を探す。当然猫はいないので、息子(D)は、母親(C)のことを変な人だと不審がる。

舞台の前半ではそんなふうに母親(C)と息子(D)の会話が全然成り立っていないことによる笑いが提供され続け、ついに息子(D)が母親(C)を"将来の義理の母親"として「お母さん」と呼んだとき、母親(C)は"将来の義理の息子"からの呼びかけとして受け取り、娘(だったか、真実を知っている娘の妹か父親だったか忘れましたが)の「奇跡的に会話がなりたっている!」という台詞で大爆笑。

私の家族もこの面白さにはまってしまい、一家でしばらく「ケニー」が流行りました。なにかにつけて「ケニー」「ケニー」といっては劇中の台詞を言ったりして。