三谷幸喜作品と本の虫★あんのよしなしごと

大河ドラマ「真田丸」をはじめ、三谷幸喜さんの作品の感想、芥川賞受賞作品を中心とした本の感想、音楽やハンドメイド関連などをつづったブログです。

「君となら」(2014年版)感想

作・演出:三谷幸喜

出演: 竹内結子 草刈正雄 イモトアヤコ 長野里美 長谷川朝晴 木津誠之 小林勝也

【あらすじ】
父親よりも年上の恋人が家に訪ねてくることになり、主人公である娘は何とかしてやってくる人物が恋人であることを家族に知られないように嘘に嘘を重ねていくのだが、恋人の息子まで現れて、さらに事態は複雑になっていく・・・。

【パルコ劇場 特設ページ】
http://www.parco-play.com/web/play/kimitonara/

以下、少々ネタバレを含むかもしれないので注意です。

 

初演版を、その年にTVで放映されていたのを見てから、19年。
幕が開いたときには、ようやく生でこの作品を見られる喜びに浸りました。

筋は大体わかっているのに、やはり爆笑!

初対面の人物同士が出会うシチュエーションですが、主人公の「優しい嘘」によって、出会った人たち同士、お互いの人間関係を誤解していきます。
(おまけに、誤解の仕方はそれぞれの人ごとに違う)

真実を知らず、誤解している同士の会話がまったく成立していないのが面白いし、
真実を知る人物は、その誤解を誤解のままでその場をやり過ごそうとするけれど、ごまかそうとすればするほど、もっと新たな嘘をつき、自分たちはその嘘の通りの人物像を演じなければならなくなるのも面白いです。

さらに真実を知らない人物は、真実を知る人物たちが演じている合間にふと見せてしまう「真実の姿」の方を怪しみ、それを指摘すると、真実を知る人物たちが新たな嘘でごまかす。

こうして最初は些細な嘘でも、ごまかすために嘘を重ねていくにつれ、どんどん事態は複雑になります。

観客は、この複雑な事態をどう乗り切るのか、ハラハラしつつ、あまりに突拍子もないごまかし方に笑ってしまうのです。

これぞ、三谷シチュエーションコメディーの原点だと思いました。

一方で、初々しさのようなものを感じたのは、この作品が20年近く前のものだと知っているからというわけではない気がします。

2001年『バッド・ニュース☆グッド・タイミング』、2014年『酒と涙とジキルとハイド』と追うごとに1つのシチュエーションに対しての嘘の数は少なくなり、代わりにその1つの嘘=誤解を前提にした笑いを起こす数・・・笑いの濃度とでもいいましょうか・・・は、増えているように思います。

一方で『君となら』は、事態をごまかすための新しい嘘が次から次へと出てくるため、1つの嘘=誤解に対する笑いの数は少なくて、すぐに次の嘘がベースに移っていきます。

この、1つの要素にどれだけ笑いを詰め込むか、という「笑いの濃度」の点で、(僭越ながら)三谷さんはどんどん進化しているのかもしれないと思います。

さて、ずっと気になっていた「草刈正雄さん」問題ですが・・・。なにが「問題」なのかと言いますと、初演では主人公の母親が、娘の彼氏を「草刈正雄似」だと思っているのです。(初演には草刈正雄さんは出演していません)。それを主人公の家族で話題にするシーンがあるのですが、今回は主人公の父親を草刈正雄さんが演じています。なので、今回は「草刈正雄似」という話題のシーンで草刈正雄さん本人がいるということになるため、その設定はそのままなのだろうか?というのが気になっていたのです。
さて実際は…(ネタバレなりすぎになるため伏せますが)特別な感慨がありました。

また、醤油の容器がでてくるシーンがありますが、初演は一升瓶だったけれど、今回はペットボトルになっていて時代の流れを感じました。。。

 

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