三谷幸喜作品と本の虫★あんのよしなしごと

大河ドラマ「真田丸」をはじめ、三谷幸喜さんの作品の感想、芥川賞受賞作品を中心とした本の感想、音楽やハンドメイド関連などをつづったブログです。

「エノケソ一代記」感想

作・演出:三谷幸喜

出演:市川猿之助 吉田羊 浅野和之 山中崇 水上京香 春海四方 三谷幸喜

2016年11月 世田谷パブリックシアターにて

【あらすじ】
「エノケン」こと榎本健一は昭和初期の浅草から世に出て、日本の喜劇王として活躍した喜劇役者。
そんな「エノケン」に憧れ、崇拝する喜劇役者・田所(市川猿之助さん)は「エノケソ一座」を率いて全国で巡業していた。見に来るお客は「エノケン」の「ン」が「ソ」になっていることなんて気づかずに、本物のエノケンだと思って大いに楽しんでいる。
田所は、ただひたすらにエノケンになりきり、エノケンのように生きることだけを考えていて・・・

 

2016年は大河ドラマ「真田丸」でずっと三谷作品を見ていられた一年でしたが、舞台は久しぶり。

市川猿之助さん演じる、偽エノケン=エノケソ の一代記です。

一見、偽物であることがばれそうになるのをいかに取り繕い、乗り切るか、といったシチュエーションコメディですが「エノケソ」の「エノケン」へのあまりにもひたむきな憧れと、それが次第に狂気へと変わっていく様が描かれ、精一杯生きた、名もない一人の喜劇役者の人生の重みも感じることができました。

市川猿之助さんは、「決闘!高田馬場」で三谷作品に出演(当時は亀治郎)されて以来、ちょいちょいコメディアン的要素のある方だなあと思っていましたが、現代劇で拝見したのは初めてで、「エノケソ」のひたむき過ぎるひたむきさが真っすぐに伝わってきました。

吉田羊さんは、三谷さん主宰の劇団「東京サンシャインボーイズ」の復活公演「returns」で拝見してから、朝ドラなどで大活躍。「真田丸」では真田信幸の妻・稲姫を演じられていたこともあってその印象が強いのもあるかもしれませんが、今作ではしっかり者のエノケソの妻がとてもしっくり似合っていました。

浅野和之さんの胡散臭い役のはまりようは相変わらず素敵ですし、七変化の山中崇さんや、初々しい水上京香さん、春海四方さんの一座の癒しキャラぶりも印象的でした。

そして何より驚いたのは、「俳優・三谷幸喜」!

なんと、俳優として舞台に立つのは24年ぶりだそうです。

公演パンフレットによると、二年間大河ドラマにかかりっきりだったため、気分転換としてと、次のステップに進むために自身の起爆剤となるようなことがしたかったためだそうですが、なかなかどうして、堂々とした俳優ぶりでした。

大河ドラマ「真田丸」が無事高評価で終了した三谷さん。

三谷さんは、成功に甘んじずに常に新しいものにチャレンジし続けるところがすごいと思っています。そのチャレンジを、楽しみに、そして応援したいと思います。