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三谷幸喜作品と本の虫★あんのよしなしごと

大河ドラマ「真田丸」をはじめ、三谷幸喜さんの作品の感想、芥川賞受賞作品を中心とした本の感想、音楽やハンドメイド関連などをつづったブログです。

「なにわバタフライN.V」(2010年版)感想

作・演出 三谷幸喜 
出演 戸田恵子

2010年3月22日 サンケイホールブリーゼ にて観劇

【あらすじ】
ミヤコ蝶々さんをモデルとした女一代記を戸田恵子さんの一人芝居で描く。
仕事に生き、恋に生きたその人生とは・・・

2004年初演版をブラッシュアップし、ニューバージョンとなって再演。

以下、ネタバレを含むと思われる感想です。

初演で「戸田さんが頑張っている」感が出てしまったことを課題として、今回は戸田さんご自身も観客も楽になるようにとの意図があったそうですが、それは達成されたのではと思います。

初演(感想はこちら)時は、戸田さんのすごさと、小道具の使いまわしの面白さや2階建て舞台の2階部分で演奏される生演奏効果音のような凝った演出が印象に残りましたが、今回のニューバージョンは、まさに「ブラッシュアップ」されていて、お芝居の女芸人の一代記そのものに入り込めました。

舞台セットはいたってシンプル(大きな風呂敷に包まれてしまうほど(^^))、生演奏もなく、本当に戸田さん一人。

落語の枕のように、戸田さんが「戸田恵子」として今回の舞台の説明をはじめ、さらっと本編に移り変わる。表情がぱっと変わって雰囲気も変わる、「戸田恵子」から「女芸人」への切り替わりは本当にお見事でした。

また、3部構成になっていて、途中、ちょっとしたリラックスタイム(?)が挟まり、その間は舞台上の戸田さんは戸田さんに戻ります。NHKの人形劇「新・三銃士」のエンディングテーマ「一人じゃない」が流れて、「私、ミレディやってます」というお話をされたり。

小道具使いも、必要最小限に絞り込まれていました。実質は、主人公の人生を変えた男性たちを表現する小道具のみといっても良いでしょう。そのシンプルさが、かえって主人公の「人との出会い」の大きさを印象付けていました。

物語の内容は、幼い頃に父親によって芸人として生きることを決定付けられてしまった女性が、その運命に翻弄され、信じた夫に裏切られても、必死に目の前の「今」を生きる姿に心打たれました。本当は寂しがり屋なのに、強い女性であらねばと自分に鞭を打ち続ける不器用さにどこか自分を重ねてしまって、図らずも途中涙してしまいました。。。