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三谷幸喜作品と本の虫★あんのよしなしごと

大河ドラマ「真田丸」をはじめ、三谷幸喜さんの作品の感想、芥川賞受賞作品を中心とした本の感想、音楽やハンドメイド関連などをつづったブログです。

「古畑任三郎 ファイナル」

第1夜:2006.1.3「今、甦る死」
第2夜:2006.1.4「フェアな殺人者」
第3夜:2006.1.5「ラスト・ダンス」

脚本家・三谷幸喜氏の出世作とも言えるドラマ「古畑任三郎」のファイナル。
このドラマは、まずはじめに犯行の様子を見せて視聴者に犯人を明かした上で、警部補・古畑任三郎が、一見完全犯罪に見える犯行の小さな綻びから徐々に犯人を追い詰めていく過程を時にコミカルに、時にシリアスに描く。

田村正和氏が演じる、飄々としてつかみ所のない警部補・古畑任三郎の魅力はもちろん、毎回豪華なゲスト俳優が犯人を演じて古畑と対決するのも見もの。

刑事ものでもなくサスペンスや推理ものでもなく、コメディでも人間ドラマでもない、もはや「古畑任三郎」という1つのジャンルであると言っても良い気がします。

古畑任三郎」というドラマ自体について書きたいことはいろいろあるのですがそれはまたの機会にして、今回はファイナルの3作について書くことにします。

第1夜のゲストは石坂浩二さんと藤原竜也さん。これまでゲストが2人ということはなかったと思うのですが、2人ゲストであることの意味が最後になってわかって「やられた!」と思いました。(あまり書くとネタバレになってしまうので書きません・・・)。

また石坂さんと藤原さんといえば、大河ドラマ新選組!」での佐久間象山沖田総司
佐久間「先生」だった石坂さんは今回の古畑でも「先生」と呼ばれていたし、天真爛漫な沖田だった藤原さんは今回も天真爛漫。三谷さんはそういうところも意識したのかな、などと思ったり。

また三谷さんは「新選組!」の座談会で藤原さんについて「(想像以上の沖田を演じてくれるので)沖田に変な台詞を書くと、竜也くんが"こんな(つまらない)台詞いえないよ!やってらんないよ!"と言うんじゃないかと思って、他の役者さんには申し訳ないけれど、沖田の台詞を書くときが一番緊張した」と絶賛していたので、きっと藤原さんとまた仕事がしたかったのかななどと思ったり。

第2夜のゲストは野球選手のイチローさん。しかも「野球選手のイチロー」の役。
イチローが本人役で古畑に出演!」のニュースは一頃巷を騒がせて、批判的なことを言う人もいたけれど、イチロー選手の「古畑」への思い入れというか愛情が伝わってきたし、ファイナルを飾る華として十分だったと思います。
(現実のイチロー選手への配慮からか、ややストーリーとしては大味でしたが)

そして第3夜のゲストは松嶋菜々子さん。従来とはちょっと違った趣向だった第1夜、ストーリーの中身よりもゲストの新鮮さが印象に残った第2夜に比べ、一番これまでの「古畑」らしかった第3夜でした。
けれども、総括するかのように「古畑」のこれまでの事件を思い起こさせるエピソードがちりばめられていたりして、三谷さんが「古畑」の思い出をたどっているようでもありました。
松嶋さんの「華」は全編を通してキラキラしていて、ラストに相応しいゲストだったと思います。

今回嬉しかったのは、古畑の相棒ともいえるお騒がせ巡査・今泉慎太郎が帰ってきたことですね。「古畑」は今泉役の俳優・西村雅彦さんの出世作ともいえると思うのです。最近渋い役、味のある役が多い西村さんですが、「古畑」のコメディ部分担当でもある今泉役での活躍がまた見られたのは、とても嬉しかったです(3rdシーズンでは今泉のライバル、西園寺刑事との対比なのか、今泉はただのおバカキャラになってしまったの?と心配しましたが、今回は三谷さんの今泉への愛情があふれているように感じました)。先日見た「捜査検事・千草泰輔の事件ファイル 赤の組曲」と全く正反対の役柄をちゃんと演じて、俳優さんってすごいなと改めて思いました。

そしてこの3作を見て思ったことは、三谷さんはこの3作で「古畑」をファイナルにしようと思っているのだなぁということ。
夏の花火大会の最後の盛り上がりのように、第1夜は仕掛け花火、第2夜は大きな3尺玉、第3夜は「もうすぐ終わりかな」とほんのり寂しさもまじるスターマイン、とでもいってみましょうか。
第3夜のラストのラストで、12年前の「古畑」の第1回の事件を思い起こさせるなど、心憎かったですね。