三谷幸喜作品と本の虫★あんのよしなしごと

大河ドラマ「真田丸」をはじめ、三谷幸喜さんの作品の感想、芥川賞受賞作品を中心とした本の感想、音楽やハンドメイド関連などをつづったブログです。

ドラマ「オリエント急行殺人事件」 感想

原作 アガサ・クリスティー
脚本 三谷幸喜

2015年1月11日、12日にフジテレビで放送された2夜連続のドラマです。

下関から東京に向かう特急「東洋」の車内で起きた殺人事件を、ちょうど乗り合わせた名探偵・勝呂が推理によって解決する。

原作を読んだことがなかったので、このドラマを見てから、原作を読みました。

第一夜は、探偵・勝呂の視点。特急に乗り込む直前から、犯人を特定し、犯人に認めさせるところまで。

第二夜は、犯人の視点。なぜ犯人が今回の事件を起こすに至ったか、そして様々な想定外の出来事が起こる中、実際にどのように犯行に及んだのか。

後で原作を読んでわかったのですが、第一夜は細かなところまで原作そのままでした。
舞台を昭和初期の日本に移しているのですが、人物造形や小道具的なものまで全て忠実に再現していたように思います。
人物名も、原作と対応付けられてもじっていましたね。

第一夜に三谷さんの創作部分はなかったといってもいいでしょう。

「三谷さんらしさ」は、第二夜にこそありました。

どうやって、勝呂視点での「第一夜で起こったこと」に結びつくのか、どうやってこのメンバーが集まったのかが興味をひいて飽きさせません。
原作にはその過程の描写はないので、三谷さんのオリジナルなのだと思います。

犯人の側の視点で描くのは、三谷さん脚本で一世を風靡したドラマ「古畑任三郎」の手法ですね。

仲間が一人、また一人と集まっていく様は「忠臣蔵」のようでした。
物語の舞台を、まだ幕末・明治の文化の名残を残すであろう昭和初期の日本に置き換えたことで、登場人物たちが「リアルな敵討ち」という発想に想いを至らせる説得力が増したのかもしれません。

また、野村萬斎さん演じる勝呂を過剰に芝居がかったキャラクターにすることで、見ている側にお芝居としての「忠臣蔵」のような、ファンタジー感を強調していたのかもしれないと思いました。

【原作本】