あんのよしなしごと

三谷幸喜さんの作品の感想、本の感想、映像作品や音楽の感想などをつづったブログです。

「大空港2013」感想

脚本・演出 三谷幸喜
出演 竹内結子 生瀬勝久 戸田恵梨香 池松壮亮 梶原善 青木さやか 石橋杏奈
   綾田俊樹 甲本雅裕 神野三鈴 オダギリジョー 香川照之

WOWOW放送

「Short Cut」につづく、完全1シーン1カットのドラマ。

【あらすじ】
飛行機が天候不良により松本空港緊急着陸。空港職員の大河内は乗客を案内することになった。降り立った乗客には、なにやら訳ありの家族がいて・・・?

これだけ大人数が出演し、大きな空間を縦横無尽に動き回るドラマを、120分間1シーン1カットで破たんなく成立させる緻密さに驚きました!

そして、緊急着陸して空港で時間を過ごすことになったとある家族の秘密が、職員の大河内が絡んでいくことで徐々に明らかになっていく過程も面白く
息をつかせぬ展開で、あっという間でした。

前作「Short Cut」あってこそのチャレンジだと思うので、三谷さんは着実に進化しているなと思いました。

 

 

「ソーシャルネットワーク」

見てきました。以下、ネタバレ注意です。






IT起業を題材とした人間関係の話。facebookをベースにしてるのが効いていたように思います。

自分は認められて当然という気持ち、劣等感、自己顕示欲、それらのあまり他人をないがしろにし、ひたすら大きくなることだけに集中する。そしてそこに群がる、金儲けしたい人々。

少数の圧倒的勝者と大多数の敗者の現代社会は、努力は報われず紳士はバカを見て、圧倒的能力と人を蹴落とす人間が勝者となる。勝者はそうしていくうちに孤独になる。

誰も幸せになれないのに、世の中はそれを増長する方向に動いてる。。

「マザーウォーター」

先日、気になっていた映画「マザーウォーター」観てきました(ようやく・・・)。

ゆったりした時間の流れが心地よく、映画館からでたあとの風景も違って見えました。

こんな穏やかな気持ちで生活できたらいいだろうなあ。。。

ハツミがセツコとタカコのことを言った、「楽観的刹那主義」っていうのは、私もよくわかります。「今」の積み重ねが未来をつくるという考え方。私のベースもたぶんそうだから。

「のだめ」と「ポニョ」を観ました

最近何かと忙しく、じっくり本を読んだり何かをする時間が取れずに更新も滞っております・・・。

そんななか、先日TVで放映された「崖の上のポニョ」と、観ておきたかった「のだめカンタービレ 最終楽章 前編」を観ました。(以下、ネタバレあるかもしれませんのでご注意を)

「ポニョ」の方は、エピソード1つ1つが案外さらっと過ぎてしまった印象で、いろいろな断片をつなぎ合わせたモザイク画のような構成の印象を持ちました。

ところどころ、「ん?これは?」とちょっとした疑問符が沸く箇所があり、これは何かの伏線か、どう説明されるんだろうか、と思いながら見ていて、結局説明がないまま終わってしまって、ちょっと腑に落ちない感じもしました。

うーん、これはどう見たらいいんだろう、と思いつつ、ネットで「ポニョ」の感想記事などを見ていると、実はとてつもなく深いらしい。。。哲学の域のようです。

一方「のだめ」の方は、すでに完結した原作も読んでいるので、原作をどう映画化したのかな、という目で見ました。

のだめが苦悩に陥るきっかけが、原作を読んでいない人には少しわかりにくいかな?と思いましたが、「のだめテイスト」を維持するために強調しなかったのかなと思いました。オケシーンはかなり豪華でしたし、笑いどころもあって、とても楽しかったです。

あ、あとのだめ役の上野樹里さんって、変幻自在ですね。さすがと思いました。