作・演出 三谷幸喜
出演 浅野和之、石田ゆり子、伊藤正之、江口洋介、
小日向文世、鈴木砂羽、筒井道隆、生瀬勝久、
温水洋一、堀内敬子、堀部圭亮、山寺宏一
2006.1.15 シアター・ドラマシティにて観劇
【あらすじ】
「もし日本に陪審員制度があったなら。」
ある殺人容疑の事件を裁くことになり、一室に集められた12人の陪審員。
全員一致で決めなければならないことはただ1つ、被告が「有罪」なのか「無罪」なのか。12人が議論を進めていくうちにそれぞれの人間性が透けだし、それが議論の行方を左右する。果たして結論は出るのか・・・?
1990年に三谷幸喜氏が主宰する劇団、「東京サンシャインボーイズ」で初演され、1991年には映画化もされた作品を、キャストも新たに再演。
最高に面白かったです!3回目のカーテンコールではスタンディングオベーションでした。
映画版を見ているのでストーリーもオチもわかっているのにこんなに面白いし笑えるのは、陪審員2号役の生瀬勝久さんもパンフレットで書かれていますが「古典落語の面白さ」と通じるでしょう。
2時間あまり、12人が議論する様子を見ているだけなのにこんなに笑えるなんて!
「人間が笑うツボ」を知り尽くしているのかと思ってしまうほど、改めて三谷幸喜、恐るべしです。
そして三谷脚本を具現化する役者の皆さんも素晴らしかったです。
浅野和之さん(1号)、伊藤正之さん(3号)、山寺宏一さん(13号)は、見せるところで見せる、引くところで引く、というメリハリが利いていて良かったです。
生瀬勝久さん(2号)は、物語を引っ張っていく役で、しゃべりっぱなし、動きっぱなしですが、さすがの一言。
筒井道隆さん(4号)は、独特のあの朴訥とした感じで、和みました。
石田ゆり子さん(5号)は、真面目な方なのでしょう、そのオーラがにじみ出ていました。
堀部圭亮さん(6号)は、ちょっと嫌味なサラリーマンの役があってました。
温水洋一さん(7号)は、しゃべるだけ、動くだけで笑いました!
小日向文世さん(9号)は、クールな役を見るのが初めてで新鮮でした。
鈴木砂羽さん(8号)、堀内敬子さん(10号)は、それぞれの役で時折見せる意外な姿の「ギャップの面白さ」が良かったです。
江口洋介さん(12号)は、舞台初挑戦ということでしたが、さすがTVドラマの世界では俳優として地位を築かれている方、安心して見られました。何を考えているのかわからないところがあるけれど決していい加減ではないキャラは、「新選組!」で江口さんが演じた坂本竜馬を彷彿とさせました。
あとは、どうしても話をしている役者さんに目が向いてしまったので、きっと見ていないところで他の役者さんたちが面白い演技をされているのだろうなと思うと、できれば何回も見て、それぞれの役者さんたちの全ての演技をじっくり見たいと思いました。
(私は今回1回しか見られませんでしたので、DVD化されるのでしたら、是非各役者さんをクローズアップした複数アングルを切り替えて見られるようになっていたらいいなと思います)
ご参考までに、映画版はこちら↓
2020/5/6の、オンライン配信版の感想はこちら↓