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三谷幸喜作品と本の虫★あんのよしなしごと

大河ドラマ「真田丸」をはじめ、三谷幸喜さんの作品の感想、芥川賞受賞作品を中心とした本の感想、音楽やハンドメイド関連などをつづったブログです。

大河ドラマ 真田丸 49話「前夜」 感想:通じ合う想い

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最終回の前夜。

信之、松姉さん、信伊叔父、上杉景勝、徳川家康、伊達政宗、そして春ちゃん、きりちゃんと信繁の直接言葉には言い表さないけれどもお互いを想いあい、通じ合う想いが画面から溢れ出ていて、なんと愛に溢れた物語なんだろうと、涙、涙でした。

信之、大坂へ

徳川の家臣である信之が大坂の信繁に会いに行くことは命がけ。
それでも信之は大坂へ。

稲姫、おこうさんも、信之との最後の別れかもしれないと覚悟しながら送り出す。

信繁に食べさせたいとあれもこれもと詰める松姉さんの姉心、またいつの日か姉弟三人でお茶でも飲みたいという言葉に愛が溢れていて。。。

そして大坂への道中で人改めで足止めとなり、そこに現れたのはなんと、室賀正武の息子!
昌幸の息子と知り、通すわけはいかないと言いかけたところですかさず信之が

「黙れ小童ぁ!」

なんという意趣返し! 言われた目をぱちくりさせている室賀の息子に、かつての信幸青年が重なりました。

 

大坂で信伊叔父とともに信繁との対面を果たした信之は、信繁に「とにかく生きよ」と強く言います。生きてさえいれば、自分が何としてでも信繁を助け出す、それが自分の使命だからと。そして、信繁と酒を酌み交わす日が来ることを信じている、と。

信繁は「今ここで、兄上と酒を酌み交わしたい」と応えますが、信之は「これは今生の別れではない」と言って去っていきました。

死ぬ覚悟でいる信繁と、信繁に生きてほしい信之の最後の会話。

言外に溢れる想いがジンジンと伝わってきて、涙なしでは見られませんでした。

信伊叔父が、信繁に真田家の「頬をペチペチ」していったのも「真田家の絆」を印象付けられるシーンでした。

家康の温かさ

秀忠は、豊臣家を滅ぼすことに超積極的ですが、終始家康はやむなく、といった姿勢のように見えます。

上杉景勝と二人で酒を飲んでいるシーンで、今の自分があるのは秀吉のお陰だ、という家康の言葉はこの「真田丸」の家康ならきっと本心なんだろうなと思います。

そして北条氏政、真田昌幸の名前を出し、景勝と自分が生き残ったという家康にとって、この4人は戦友であり、どこか通じ合うものを感じていたのかもしれません。
この家康は、北条氏政に死ぬなと言い、真田昌幸・信繁親子に苦しめられたと言いながらも何度も調略しようとするなど真田を高く買っていたし、上杉景勝には思わず本音も漏らしてしまうような人間味があり、「真田丸」では敵役にもかかわらず、憎めない魅力ある人物で好きです。

滅亡へと突き進む豊臣家

もはや豊臣に勝ち目はないにもかかわらず、家康は豊臣に生き残りの道を提示します。しかしその内容は、牢人たちの追放が条件。

なぜここで秀頼は家康の条件を受け入れなかったか・・・!と思いますが、秀頼はすっかり牢人の勢いに同調してしまっているし、たとえここで家康の条件を飲んだとしても、家康亡き後秀忠によって秀頼が滅ぼされてしまうことになったかもしれません。

いよいよ大坂夏の陣が始まり、豊臣の戦略が徳川に筒抜けになっていることが判明。
内通者と思っていた織田有楽斎は追放したのに・・・。内通者はもう一人、調理場にいた大角与左衛門でした・・・。

信繁が有楽斎が怪しいとわざと情報を与えた時、その場にいた与左衛門。
信繁、しくじりましたね。

しかし時すでに遅し、塙団右衛門、後藤又兵衛、木村重成は討ち死に。
情勢は悪くなる一方です。

伊達政宗との邂逅

兵を退こうとする信繁軍を追う政宗軍。

「徳川には真の武士は一人もおらぬのか!」

信繁の挑発に、政宗は追い打ちをかけるのをやめ、信繁を退かせます。

かつて大坂城の庭先で、いつか天下を揺るがす大戦をやってみたいものよと話をしていた政宗と信繁。

この二人にも、通じ合うものがあったのですね。

信繁が春ちゃんや(大助を除く)子供たちを政宗に託そうと決意し、そして政宗も快く受け入れる男気を見せ、しびれました。
春ちゃんたちにずんだ餅を振舞うのも、かつて秀吉の前でずんだ餅を作ってみせたシーンが思い出され感慨深いです。

春ちゃんとの別れ

死を覚悟した信繁は、春ちゃんら妻子を伊達政宗に託します。

状況を理解している春ちゃんですが、気丈にふるまいます。

「私は、大谷刑部吉継の娘です」

ああ、そうでした。ここで一気に在りし日の大谷刑部の顔が浮かび、思えば遠くに来たものだ。。

きりちゃん・・・

信繁がきりちゃんに託した最後の任務は、秀忠の正室、千姫を連れ出し徳川に引き渡すこと。

それは信繁が戦死し、豊臣が滅んだ時のことを言っています。

「源次郎様がいない世にいても、つまらないから」

この後の信繁ときりちゃんのシーン、きりちゃんの「遅い」というツッコミに「そうだそうだ!」と同意しつつ、最後の最後でようやくきりちゃんの想いが報われた嬉しさと、この短いひと時しかないはかなさに涙がとまりませんでした・・・