大坂方の信繁も、徳川方の本多正信も、「戦はただ勝てばよいのではない、味方の損失をどれくらい少なくするかが肝要」というセリフが。本質を分かっているもの同士の戦いですね。
出浦昌相!
おお、出浦さん生きていた!起き上がっていた!喋れるようになっていた!
密かに大坂に兵糧を送ろうとする信之を断固として止めた昌相。
ここでもし信之の行動が徳川に知られたら、真田家は終わってしまう。
そんなことになったら、真田家をどんなことをしても生き残らせようとした昌幸の想いが台無しになってしまう。
子どものころから信之は自分の想いよりも「真田家を守る」役目を優先させられてきました。
少しでも、愛する弟の力になりたい。それすらもできない信之の無念さはさぞや・・・と思うのですが、昌相の術でネバネバまみれになったお兄ちゃん、やはりコメディ担当健在。
信伊叔父!
信伊叔父もご健在!
家康に呼ばれ、信繁を調略するように命じられた信伊。
しかし信伊は信繁のことを「自分と違って義に厚い」から、寝返りはしないだろうと断ります。
それでも(形だけ?)大坂に入り、信繁と対面。
おとりおばばさまの通夜以来という再会なのに、酒を一杯酌み交わして立ち去ります。
家康からの書状を「見なくてよい」と言って。
信伊がかつて信繁に言った「自分のようになるな」という言葉。信伊は義を貫く甥を誇りに思っていることでしょう。
茶々の本心は・・・
茶々の本心はどこにあるのでしょうか。
初からは「姉(茶々)は死にたがっている。大坂城が焼け落ちるのを待っている。両親同様、自分も城とともに焼け落ちると信じている。姉を救ってほしい」と言われましたが、茶々本人からは「秀頼と一緒に暮らせればそれでよい。遠い小国で、私と秀頼と、左衛門佐がいれば」と言われます。
私は、茶々の本心は、信繁に語った言葉ではないかと思うのです。
浅井長政の娘としてでも、織田信長の姪としてでも、もちろん豊臣秀吉の側室として秀吉亡き後豊臣家を守る立場としてでもなく、ただの女性として、子どもと、親しい者たちとただ穏やかに暮らすことを望む。
でも、周りがそれを許さない。信繁でさえも自分の「義」優先であって、茶々の本心を尊重することはできない。豊臣家の実質的なリーダーとして、滅びゆく豊臣と運命を共にしなければならない。
信繁の頼みを聞き入れ、秀頼を説得するシーンにはその悲痛な覚悟が見え隠れし、思わず涙が・・・。
大坂城に砲弾が撃ち込まれ、侍女が巻き込まれてしまったのを目撃した茶々の取り乱し方が哀しいです。
そして茶々や信繁によりそうきりちゃん。なんと頼もしいことよ・・・