三谷幸喜作品と本の虫★あんのよしなしごと

大河ドラマ「真田丸」をはじめ、三谷幸喜さんの作品の感想、芥川賞受賞作品を中心とした本の感想、音楽やハンドメイド関連などをつづったブログです。

大河ドラマ 真田丸 35話「犬伏」 感想:ちょっとした運命の歯車のズレが生んだ犬伏の別れ

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今回は、三成&大谷刑部の熱い友情物語からの、真田家の家族物語。


真田にとっては早すぎた三成の挙兵

徳川の上杉攻めという局所的な戦いであれば、真田はその横合いを襲って家康の首をとるつもりだった。
石田三成の挙兵がその後であれば、石田勢も難なく江戸まで攻め込めたはず。

しかし家康が江戸を出てすぐに三成挙兵となれば、家康の動きが読めなくなるし、豊臣と徳川の大戦になってしまう。

これでは真田がその隙をついて・・・というわけにもいかなくなり、どちらかにつくしかなくなってしまう。

もちろん、三成の挙兵がもっと遅くて、真田が徳川と上杉の戦いの横合いを攻めたからと言って真田が家康を討てたとは限らない。
けれども真田や三成たちのちょっとした動きのズレが結果として徳川を利する結果となったことに、やるせなさを感じます。

三成挙兵を知った昌幸の「早すぎるわ!!!」

という叫びに、無念さがこもります。

そして、犬伏。信幸の大決断

豊臣と徳川の戦になってもどちらにもつかず、真田の再起を図ろうという昌幸に、信繁は「夢物語はもう終わりにしてください父上!!」と一喝。

豊臣と徳川のどちらに賭けて生き残るしかないという状況で、またもこよりのくじ引きを持ち出した昌幸に、信幸は「こういうことはもうよしましょう」。

信繁、信幸ともに、父を諫めます。息子たち、成長しました。

そしてここからの信幸が圧巻。以下、信幸の台詞を引用させていただきます。

「私は決めました父上。私は、決めた!!!!」

「源次郎、お前と父上は豊臣につけ。私は徳川に残る」
「いずれが勝っても、真田は残る。我らは決して敵味方に分かれるのではない」
「豊臣が勝った時は、お前はあらゆる手を使って俺を助けよ。そしてもし、徳川が勝ったならば、俺はどんな手を使ってでもお前と父上を助けてみせる」
「これは、我ら親子三人が、いつの日かまたひざを突き合わせて語り合う日のための策じゃ」

(信繁、信幸の迫力に気圧されるように、小さくコクリと頷く)

「たとえ徳川と豊臣に分かれても、常に真田は一つでございます」

 

 

その後、兄弟は二人で語り合う。泣く弟を励ます兄。父は一人酒を飲む、頼もしくなった息子たちを思い、微笑みながら。

そして”背水の陣”の本当の策の意味という、真田らしい話題で、三人で酒を飲みながら談笑。。

・・・真田は「真田を守る」ために、実に真田らしい決断を下しましたが、こんなに仲が良い家族が、策と自分たちを納得させながら、敵味方に分かれて戦うことを選ばざるを得ないなんて・・・

この一連のシーンは、涙なしには見られませんでした。

大きく時代がうねり、強いもの同士の戦いのなかで、小さな一つの家、家族がどう生き抜くか。

関ケ原の戦いという歴史に轟く決戦のさなかの、ある一家の決断の話であるけれども、それは、真田家のように家族を想い、家のために決断し、行動したのだろう多くの歴史上名もなき人々のことをも感じさせ、逆に関ケ原の戦いがかすんでしまうほどの「家族の物語」の大きさを感じました。

三成と大谷刑部

犬伏のシーンに圧倒されてしまいましたが、前半は、三成と大谷刑部の熱い友情物語。

大谷刑部が自分に味方してくれると悟ったところからの三成のメソメソっぷりたらなんでしょう。

涙を隠そうともしない三成に、三成の涙は見慣れているのでしょう、驚きもせず「泣いている場合ではない!」と一喝する大谷刑部。

このシーンにこそ、どんなに三成と大谷刑部が心を許し合っているかが表れていたように思います。


ちょっと、謎?

細川忠興は、玉殿に人質になるようなら家に火をつけて自害せよ言い残し、玉殿はそれに従ってしまいましたが、忠興は豊臣勢の挙兵を予想していたのでしょうか。

小早川秀秋のもとに、かつて北条に仕えていた江雪斎(徳川のスパイ)がいましたが、そもそもなぜ秀秋のもとに江雪斎が入り込めたのでしょうか。

これらが、ちょっと、謎でした。