第151回(2014年)芥川賞受賞作品 ★★☆
以前、柴崎氏の『ショートカット』という作品を読んだとき、人物の行動描写が行動をそのまま説明しているような文章で、私にはどうにも読みづらく、私には合わないかな・・・と思っていました。
けれども『ショートカット』は2004年の作品、10年経った『春の庭』作品で芥川賞受賞とあれば、作風の変化があるかもしれない、と手に取りました。
読後感が良かったです。
情景描写の読みにくさも感じることはありませんでしたし、おこがましいですが「進化」を感じました。
そこにある建物や風景、人の動きを淡々と描くことで、(少々浮世離れしている)人々の生活の営みを一緒に味わえるような、ともすればのぞき見しているような感覚になる作品でした。