大坂の陣で豊臣が滅ぶ。信繁(幸村)も戦死します。これは後世の私たちは知っています。
知っているのに、信繁が大坂城に再びやってくることに、こんなにワクワクするなんて。
村長も助太刀!九度山村脱出
真田紐のお陰で潤った九度山村。村の皆を招いた宴では信繁の見張りにも酒を飲ませ、宴は大いに盛り上がる。そして信繁たちは「雁金踊り」を披露。踊りに紛れて、信繁たちは九度山村を脱出。
脱出に気づいた見張り役を誤誘導して信繁たちを逃がしたのは、九度山村の村長でした。
相変わらず「真田丸」は臨場感たっぷり。観る側の目線、心理を巧みに操り思わず「次はどうなるの」とハラハラさせます。
雁金踊りとくれば、「祝言」の回のおこうさんの雁金踊り。あの時も、その裏には真田の室賀暗殺という「策」がありました。
信繁と信幸兄弟は立場も距離も離れてしまいましたが、雁金踊りで真田家の絆を感じます。
そして村長ら九度山村の人々が信繁を逃がしてくれるところにもグッときます。初めは信繁たちに「早く出ていくか、早く死んでほしい」なんて言っていたのに、真田紐のお陰もあってか、しっかり信頼関係も築いていたのですね。
信之パートは嫡男問題が決着
武芸に秀でた稲姫の息子・信政と、1か月早く生まれ、武芸はイマイチでも本をよく読むおこうさんとの息子・信吉。
信政と信吉の剣術の稽古のシーンでは、稲姫、おこうさんそれぞれが自分の息子を諫め、お互いの息子をたてているのが素敵でした。そして信之の嫡男として稲姫が提案したのは、自分の息子ではなく、おこうさんの息子。稲姫の決断はよくぞ。素晴らしいですね。
家康はお年寄りに・・・
もはや信繁の名前も出てこなくなってしまった家康。それでも「真田安房守」のことはしっかり覚えているのを見るにつけ、家康にとって昌幸は唯一の弱点ともいえる存在だったのかもしれませんね。
信繁は変装して大坂城へ。そして茶々との再会
文献によると、大坂の陣の頃の信繁の風貌は、髪も髭も白く、前歯も抜けているみすぼらしい様子だったよう。
それを「大坂城へ入城するための変装」としたのが「真田丸」。
信繁が再び大坂城を闊歩するにつけ、そこに三成や大谷刑部、片桐且元、そして何より秀吉がいないことが寂しいです。
けれども一人いました。当時と変わらず、大坂城にいるお人、茶々。
茶々が「源次郎」と呼びかけると、その言葉に絡めとられるように茶々から離れられなくなる。
そんなラストシーンでした。