茶々の想い
上杉景勝は、源次郎を置いて帰ってしまいました。
そして前回、茶々のお気に入りと思われた馬廻衆の若者が、秀吉の思いをくみ取った加藤清正によって井戸に投げ込まれてしまいました。。。
その空きとして馬廻衆となった源次郎。
茶々は何かと源次郎にかまってきて、源次郎は自分も同じ目に合うのではと気が気ではありません。
秀吉がいない間に源次郎を呼び出した茶々に、源次郎は「こうやって会ったことは殿下(秀吉)には内緒に」と言い、茶々は請け負いますが、信じてよいものか、わかりません。
張り付いたように見える茶々の笑顔。
茶々のお付きの女性が「あの方(茶々)は悲しむことをやめた」と話したように、これまでの茶々の深い悲しみが思い起こされ、笑顔が痛ましくも見えます。
三成の意図はどこに?
三成はなぜ、源次郎を書庫に連れていき、城内の配置図を覚えよ、しかもそれを書き留めず記憶せよと言ったのでしょうか。
これは私の推測なのですが、
三成は、後に源次郎が城内の配置を知っていないと困る事態が起こることを予見し、表立って源次郎を助けることはできないため、その時に源次郎が困らないように城内の配置を覚えさせた、と考えるのはいかがでしょうか?
そうだとすると、三成が源次郎を助けた、すなわち配置図を見せたという証拠が残らないように、源次郎に配置図を書き留めず記憶せよと言ったのもつじつまが合います。
これは、三成が源次郎に向けて言った言葉、
「徳川が真田を攻めたら、殿下(秀吉)はきっと止めてくださる」
や、今回のラストで、源次郎が城内を駆け回るシーンがあったのも関係しているかも・・・?
また先の書庫のシーンで三成がふすまの向こうに源次郎がいるのに、大谷吉継と「千利休を引きずりおろす」なんて物騒なことを話しているのも不思議です。まるで源次郎に敢えて聞かせているかのようです。
情報戦でもある戦国時代、情報は多い方が生き残ります。
頭の良い源次郎のことなので、この情報を聞いたら源次郎は何か思いついて動き出すかもしれない、そんなところまで三成は計算しているとしたら・・・。考えすぎでしょうか。
真田の運命を握るのは、秀吉の元にいる源次郎、しかし・・・
徳川から秀吉に真田攻めの許可を求める依頼が来た。
秀吉に許可を求めるということは、秀吉に従うということ。
徳川は本心から秀吉に従う気でいるのかどうか。
徳川が本心ではないとすれば、秀吉は徳川の真田攻めを許可する必要がない。
けれど本心だとすれば、真田攻めを許可しない理由はない。
秀吉から意見を求められた源次郎は、
「徳川は本心ではない、秀吉に許可を求めず真田攻めをすると
秀吉が怒って真田の味方をするかもしれないことを恐れただけではないか」
と進言し、秀吉はその意見を聞き入れたように見せますが、源次郎の知らないところで、徳川の真田攻めを許可しました。
「真田を守りたいがため」であっても、「徳川の考えそうなこと」だとしても「徳川は本心ではない」としか言えない源次郎に、秀吉はなぜわざわざ意見を言わせたのでしょうか。なぜ、源次郎には、意見を聞き入れたように思わせたのでしょうか。
これも三成の差し金?と勘ぐってしまいますが、わかりません。
そして遠く上田にいる真田家が、大坂城の情報に乗り遅れ(源次郎が父・昌幸に書いた手紙を三成によって検閲されて届かないのも一因)、地図とにらめっこしてどうしようと頭を抱えているのは時代に取り残されつつあるようで、哀しいです。